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コンビニは無人化すれば良いというものではないらしい

再掲された記事ですが、改めて気になった話題なので目を通してみました。中国で行われた無人コンビニは失敗に終わったという話題です。

 無人コンビニは「面積は小さいのでテナント料は安い」「無人なので人件費も少ない」「だからすぐ儲かる」という論法で小売りの未来を提示しました。華々しく登場して、海外にまでその存在が驚かれた無人コンビニですが、最近の「あの無人コンビニは今」的な報道を見るに、ビジネスモデルとしては成功しなかったと結論づけられそうです。

事業としては失敗でしたが、アイデア先行で一時的にでも事業として成し遂げた部分に関しては称賛に値すると思っています。破格の投資を受けられる社会というのは、その点だけ見れば羨ましい限りです。

結局は客が面倒だったという話

何でもかんでも効率化された社会を望む自分としても興味深い動きだったのですが、なぜ失敗したのでしょうか。詳細は上記の記事に記されてますが、つまりこういうことだそうです。

スマホでアプリを起動してドアロックを解除してなんて面倒くさいことをするよりは、馴染みの店でさっと買ったほうが手っ取り早いものです。

確かに「商品を手にとって」「料金を手渡す」の2動作で済む手続きがより煩雑になってしまってますからね。隣にサッと買える店舗があるならたしかにそっちを利用してしまいます

昨今流行りのバーコード決済も、「アプリを立ち上げて」「バーコードを読み取って」「店員に見てもらいながら金額を入力する」「決済ボタンを押す」という幾つもの手順を経てます。デジタル端末に慣れてない人にとっては訳がわからないに違いありません。それでもバーコード決済が利用されているのは、ポイント還元の旨味の他にないのだと思います。(私のような頑なに現金を持ちたくない派はさておき。)

2019年はコンビニ経営の厳しさが話題に

2019年はセブンイレブンで本社とオーナーの間で起きた店舗運営の亀裂が話題になりました。ファミリーマートでは24時間営業が見直されるなど、コンビニ事業のコスト削減が検討されています。人件費や光熱費などの固定費を削減できるので、利益を出す上での即効性はありそうです。

私の生活圏内のどのコンビニに貼られている求人を見ても、最低賃金に毛が生えた程度でしか雇えないのが実態かと思います。私の感覚だと、コンビニ店員というのは覚えることもやることも多いのでもう少し高くないとやりたいと思わないのですうけどね。

その状況で小売業務の効率化、つまり人件費の削減が待ち望まれるのは必然かと思います。完全にシステム化できてしまえば、優秀なITエンジニアを一定数確保しておくだけで幾つもの店舗が回せます。

日本で効率化された実店舗決済の解は見えるか

現在はローソンが無人店舗の実用実験を行ったり、セルフレジの導入などで接客業務の簡略化をおこなったりといった取り組みは日本で行われています。

私がよく利用するユニクロでは、2名程度のスタッフが常駐する決済エリアにて、6つ程度あるセルフレジで自身で決済をします。スーパーマーケットのライフでは、商品の読み取り自体はスタッフが行って、支払いは別の端末で自身で行う方式です。

なお、完全なセルフレジではやはり窃盗のリスクが拭いきれないようです。しかし各社とも試行錯誤して利益を守りつつ、効率化を試行錯誤している状況です。

中国の失敗例を見ると、単純な完全無人化は商品購入の体験で大きな失点となると分かりました。つまり、完全な無人化をすればいいとは限りません。どの部分を機械にやらせ、どの部分を人が担えば良いのか、顧客体験を損なわないバランスが必要そうです。

消費者としては、自由競争の中で行われている各企業の試行錯誤の先にある未来が楽しみです。

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