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航空機内で乗務員に従わないのもマスク着用義務にも釈然としない話

LCC(格安航空会社)のピーチ・アビエーションの旅客機で起きたトラブルが話題となっています。9月7日に釧路空港から関西国際空港に向かう航空機の中で、乗務員の指示に従わない男性が航空法における安全阻害行為を犯しました。この男性の行為によって離陸が45分遅れただけではなく、途中で新潟空港に臨時着陸して同男性を降ろした影響もあり、最終的に約2時間15分の遅れが生じたようです。LCCであれば様々な事情で不便が生じますし、経験上の私見ですが、全日空や日本航空等と比べたら客層が悪い印象があります。起きたこととしてはさもありなんという事件です。

話題の中心は男性が安全阻害行為を行うに至った背景にあります。マスク着用を巡るものでした。ピーチは定期航空協会の定める感染拡大防止策に従って、乗客にマスク着用をお願いしています。男性はこれに従いませんでした。結果として乗務員と口論になり、降ろされるに至ったようです。その過程については緊急着陸の判断はやむを得ない程度だったという噂もあります。噂の内容については真偽の判断ができないので具体的な言及は避けます。

この件については定期航空協会と男性について双方に申したいことがあります。

先に男性についてです。報道された内容を読む限りだと、男性がマスクを着用できない理由は無いと見受けられました。航空機は繊細な乗り物です。それを運用する乗務員を威圧するのが危険な行為だというのは想像に至らなかったのでしょうか。この男性は個人的な意見を通すために乗客125人と乗務員を命の危機に晒したのです。この場合はどんな理不尽があっても定められたルールには冷静に従うべきでした。

次に定期航空協会についてです。マスク着用を義務付けるかのような規定は見直したらいかがでしょうか。私はコロナ禍以降は航空機どころか東京都区部からも出ていないので実態は分かりません。しかし聞く限りだと過剰です。警戒している感染症の感染経路は飛沫です。無口であったり小さな声で話す程度であれば布マスクを着用するのと変わりません。マスクを着用するポーズを義務としてさせる意味を私は理解しきれません。

感染拡大防止というのであれば、乗務員の取り組みだけで十分だと思います。航空機内の空気は3分で入れ替わると定期航空協会が自ら謳っています。それと定期的な機内の消毒で十分ではないでしょうか。

航空機に限らず、感染拡大防止に慎重なのは結構ですが、過剰なのは遺憾です。病気の実態が分からなかった今年2月であればいざしらず、現在は病気の対処法も必要な感染防止策の程度も判明しています。科学的かつバランスの良い対応策を講じていただきたいものです。

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