見出し画像

地域間の送電網を増強へ、風力発電の活用で国力強化に期待

本日の日経新聞のトップ記事は『地域間送電網、容量2倍』というものでした。地域間の送電網を増強することで電力の融通を効きやすくする施策だそうです。北海道から関東へは800万から1200万キロワット、関西と中四国で400万ワット、九州と中国で140万から280万キロワット、九州と四国で70万から280万キロワットと書かれています。素人には万キロワットと書かれたところで全く想像が及びませんが、大規模な事業になりそうだというのは何となく想像ができます。

背景にあるのは発電施設の多様化です。国際的な脱炭素排出の流れで風力発電や太陽光発電によって生じた電力を効率よく送電するために必要になるそうです。西洋諸国が言うところの環境に優しい発電施設の増強に於いて、政府は電力の改革において特に洋上風力発電を主力と定めています。洋上風力発電施設に適しているのは北海道や東北と九州だそうです。それらの地域から効率よく各都市圏へと送電するために、強力な送電網が必要になってきます。

今回の計画は私としては好意的に見ています。脱炭素排出という点については興味がありませんが、電力の多様化は私たちの生活に大きなメリットがあると感じているからです。

日本の欠点のひとつにエネルギー資源が無いという点があります。発電に必要な石炭や天然ガスを諸外国から購入する必要があり、自力で電力を賄うことが出来ません。その代替として原子力発電がありますが、福島第一原発の事故以来、原子力発電に対する風当たりは非常に強くなっています。原子力発電を以前の様に活用するには単なる事業遂行力だけでなく政治力も必要であり、複雑です。

原子力発電の弱点は原理の難しさです。原子力発電を理解するには高度な化学知識が必要であり、私を含めた多くの庶民に漠然とした不安を植え付けやすくなっています。今でもトリチウムひとつの風評で大騒ぎしています。その点、風力発電は小学校や中学校の理科で学ぶ程度の知識で理解できます。風が吹いて風車が回ればモーターが逆回転し、電磁誘導の法則によって電力が生じます。自転車のライトと同じです。余計な風評被害をもたらしにくい点では優れていると思います。

その風力発電の弱点は発電量の不安定さです。太陽光発電もそうですが、気候に左右されるのは想像に容易いです。必要な時に足らなかったり、過剰に発電して余らせたりということがあるようです。送電網が増強されることで、そのあたりの融通がききやすくなるらしいです。北海道や東北で多く初でして得た電力を関東に、九州で多く発電して得た電力を関西に、それぞれ送りやすくなります。

風力発電という自前のエネルギーを火力発電と上手くバランスさせることで、諸外国への依存度を下げられます。描かれたストーリーは脱炭素排出であり環境に優しいエネルギーという胡散臭いものですが、風力発電の増強は結果としては国力の増強になると期待しています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?