リモート手土産に、リモート墓参り、今年の年末年始は新しい様式を誕生させる機会にすると楽しそう

世間は人によっては今年最後の営業日を迎える1週間でしょうか。来年の元日は金曜日となっており、金土日が所謂「三箇日」となっています。会社によって年末年始休暇を三箇日前に取るか、三箇日後に取るか、あるいはどの様に挟むかは割れているようです。今年は梶山経産大臣から年末年始休暇を分散して取得する旨のお達しが出ています。それに従うのか従わないのか分かりませんが、上手く分散しそうな雰囲気ではあります。

コロナ禍の年末年始の過ごし方はかなり輪郭がはっきりしてきました。新幹線の予約率が例年より6〜7割程度落ち込んでいるのは先日の記事にも書いた通りです。多くの人が帰省や旅行を自粛することになりそうです。地方にとっては静かな年末年始、都会にとっては賑やかな年末年始となりそうです。

年末年始の移動自粛によって様々な影響が生じるのは明らかです。年始の恒例である年賀状ひとつをとっても、企業としては送るのを取りやめる話が出ている一方で、個人では送る人が増えていると聞きます。年末年始の挨拶が出来ないのであればせめて年賀状を贈ろうという流れだそうです。良い影響が出る一方で悪い影響も生じます。新幹線など移動インフラにとっては大打撃です。

日経スタイルに『リモート手土産はこれを!人気の高級ホテルスイーツ』という記事が上がっていました。この記事自体は人気の洋菓子を淡々と紹介している記事ですが、「リモート手土産」という単語が爆誕していることに驚きました。記事内では明記していませんが、暗にお土産たりうる飲食物の売上が怪しそうだという危惧が生じているのだと思います。

「リモート手土産」と書くと何となく新しい雰囲気を醸しますが、要するに『お歳暮』かと思います。1年間お世話になった方へ贈り物をする伝統的な習慣の拡張です。しかしお歳暮の様な格式高いものでもなく、もっと気軽に送るという意味ではお歳暮とは一線を画した様式となりそうです。

新幹線が6〜7割減であれば、駅のお土産販売店の売上も単純に6〜7割減となりそうです。そこを「リモート手土産」として消費を促すのは悪くない発想です。おそらく自動車移動は増えるかと思うので、お土産全体の消費は半減程度で収まるのではないかと想像しています。それでも鉄道インフラを中心に展開していた業者は苦しい状況となりそうです。

移動自粛を商機に結びつけようという動きもあります。旅行業者であるHISは10月にリモート墓参り・墓参り代行のサービスを始めました。高齢等の理由で墓参りが難しくなった方がお墓を管理しきれなくなる課題が元々あった上に、今年は帰省すらままならないという事情が加わっています。この事業が成功するか否かは分かりません。少なくとも新しい様式が誕生しようとしているのは間違い無さそうです。ちなみにリモート墓参りのサービスは、現在は東京都と周辺3県に限られているようです。

もはや何でもリモートで行えば良い気さえしてきました。リモート挨拶回りは我が家もおそらくするでしょう。墓参りは実家の両親や親戚に任せるとして、リモートお土産くらいであれば贈ってみようかという気になってきています。年末年始までの1週間、折角の機会なので新しい様式を考えてみるのも楽しそうです。

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