見出し画像

釈迦に説法は結構だけど、お釈迦様には不愉快に思われています

昨日の昼間に「月経カップおじさん」という単語がトレンドに上がっていて興味を引きました。単語からして不愉快な匂いしかしません。これを男性である私が具体的に書いてしまうとそれこそ「月経カップおじさん」の仲間入りしてしまいそうなので省略します。

月経カップおじさんがトレンド入りした文脈的にはSNSを通じたセクハラ問題のようです。世の中にはSNSを出会いの場として積極的に使う方も居るようで、一般女性に対してキャバクラ嬢のような扱いをしてしまうことで、相手の女性を不快にしてしまうことがあるようです。ちなみに男女が入れ替わっても同じです。元となったダイアモンド・オンラインの記事は巻末にリンクを張っておきます。

セクハラはさることながら、月経カップおじさんの残念な点は「釈迦に説法」である点です。生理に関しては男性より女性の方が遥かに専門家です。男性がネット上に転がっている程度の知識をつけたところで、女性からしたら「余計なお世話」と思うことでしょう。立場を変えてみれば、女性に正しい立ちションの仕方を指南されるようなものでしょうか。それはそれで生理と同列に語るなと言われそうなものですが、釈迦に説法されたときに苦笑いを禁じえないのは共通していると思います。

釈迦に説法だと思う場面は度々訪れます。私はWEBシステムが専門なので、WEBシステムに関して立て付けの知識をひけらかされると苦笑いがこみ上げてきます。例えばクラウド神話です。システムをAWSなどのクラウドに移行することであらゆる物が解決するという神話です。幻想を抱くのは勝手ですが、実際はクラウド化すれば別の問題が生じるだけです。例えば費用が莫大に生じたり、運用が回らなくなったりという課題です。実際はクラウドに最適化した設計思想の元で適切に作り直さなければクラウドの利点は得られません。大きなシステムであるほど組織を根底から覆す程度の事をしなければならないほどです。安易に「クラウド化」を強く唱える人ほど何も分かっちゃいないと感じてしまいます。

もうひとつ、釈迦に説法となりうるのは、サッカーのサポーター文化圏における「他サポが口を挟むな」という現象もそうです。サッカーのサポーターは自らが応援するチームの情報を常にキャッチしている一方、他チームの動向に関しては無知な事が多いです。たまに他チームの事を語ると、そのチームを応援するサポーターから「うるせえ」と一喝されることもあります。おそらく大きなお世話なのでしょう。私が応援する東京ヴェルディも昨年末に経営危機から経営者が交代するという事件が起きました。その際も多くのサッカーファンから興味関心を抱いていただきましたが、的外れな指摘をしている方も散見されて苦笑いが込み上げてきたものです。

サッカーに関しては私も釈迦に説法な記事を書いて反感を買うことがありました。昨年の冬に横浜FCのマーケティングに関する感想と考察を書いたところ、多くの横浜FCのファンに反応していただけました。その多くが反感です。私が知らない情報を元に論理的な意見をいただいて勉強させていただいた一方で、感情的な反応もいただいてます。私としては個人的な見解を述べただけのつもりでしたが、まさしく「釈迦に説法」であり、「大きなお世話」だったのでしょう。

釈迦に説法をすること自体に間違いはないと思います。自由主義社会では言論の自由を認めあっており、何を言うのも自由です。ただし、説法された釈迦にとっては不愉快でしかありません。程々にしなければ不愉快を撒き散らす人物と判断されてお釈迦様が遠ざかってしまいます。ましてそれがハラスメントとなる内容であれば尚更です。私も毎日noteを続けていると、ネタを絞り出すために立て付けの知識を使うことがよくあります。十分に気をつけようと肝に銘じました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?