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マスク2枚配布に煽られたと思ったら、ティンバーゲンの定理を思い出そう

ティンバーゲンの定理という言葉を知りました。

ティンバーゲンの定理とは、「N個の独立した政策目標を達成するためには、N個の独立した政策手段が必要」というものである。つまり、成長と安定化と再分配の3つ目標を達成するためには、3つの政策手段が必要だということである。

一石二鳥の様な政策も例外的にあるようですが、原則としては1つの政策で達成できる目標は1つのようです。

政府による「1世帯にマスク2枚配布」が独り歩きしており、叩くには程よい的となっています。

日本は感染拡大の抑え込みは比較的成功しています。2月に来てもおかしくなかった感染拡大のピークを4月まで伸ばしました。そこに日本人特有の正常性バイアスがかかっています。結果として、世論の注目は感染症対策よりも経済対策に向いていると考えます。

経済対策が期待している状況で、「マスク配布」が発表されたので反射的にツッコミが入っていると見ています。私も反射的に「マスクも結構だけど、このシステムを使って小切手でも送ってくれないかな」とツイッターで発信してしまいました。

ここでティンバーゲンの定理を思い出しましょう。一つの政策が達成する目標は1つです。各家庭へのマスク配布が達成する1つの目標は何でしょうか。それはマスクの供給不足です。決して経済対策ではありません。

マスク配布の効果はマスクを利用したくても利用できない状況の解消のための政策です。そう考えると、悪くない対応です。速度が重視される状況で一律2枚というのは作業効率など考えても最大公約数をとっていると思います。

ちなみに住所がない人はどうするのだという意見も見られますが、ごもっともです。

この騒動で改めて襟を正そうと思いました。政府は今後もあらゆる対策を打ち出してくると思います。その都度で脊髄反射せずに、どの対応で何が解消されるのかを冷静に読み取るべきです。

一方で多くの市民が相当疲れていると思われます。生活の不安が募る中で、外出の機会がほとんど失われ、人によっては大好きな娯楽も失われています。報道はほぼ感染症の話題で持ち切りとなっています。無意識にストレスのはけ口を探している状態な方が多いのではと思っています。

SNSに溢れる情報の自浄作用も機能しなくなってきている気がします。自分が疲れているのだと自覚し、扇動的な報道に惑わされることなく、冷静な反応ができるように心がけましょう。

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