だからハロ嫁と黒鉄はこんなにも違う(敬称略、黒鉄ネタバレあり)

黒鉄の感想は、菅野祐悟はそんなところで終わる男じゃないだろ、だった。家族が面白かったねと言う中、私だけ虚無で、感情を消化しきれないままでいるから、この文を書くことにした。たぶんオタクの戯言でしかないので、黒鉄の音楽に納得がいっている人は読まないで欲しい。

そもそも私は、菅野祐悟のファンである。初めて買ったCDは、ONのサントラで、擦り切れるほど聞いたので、未だに頭の中で流すことができるほど。じゃあ、そんなオタクがなぜ黒鉄で引っかかっているのかと言うと、ハロ嫁とメロディラインが一緒だったからである。

自分の中で、ハロ嫁がコナン映画で1番という位置づけで、そう思うまでに、脚本の良さや、キャスティング・演技の良さがあったのはもちろんのこと、一際劇中音楽が輝いていたように私の目には映った。事実、例年1度しか映画を見ない私も、ハロ嫁は5回通ったし、円盤も購入しすでに7回は見終えた。去年の7月には、山口由里子にファンレターすら出しているくらいハロ嫁に救われてきたオタクで、だからこそ大切にしたかったし、大切にして欲しかったと思っている。

今年の三月に「ハロウィンごえ目指して作曲していますので、楽しみにしていて下さい!」とツイートされてから、どんな音楽で魅せてくれるんだろうとわくわくしていた。だからこそ、お出しされたのがハロ嫁のメロディラインと一緒だった、という事実がたまらなく受け入れられない。
少なくとも私がわかるだけで4箇所で同じメロディラインが見られた。実際同じ音源じゃなくて、アレンジなのかもしれないけれど、それはそれで私には癪だ。
音楽含めてのハロ嫁だと思うから、ハロ嫁はハロ嫁で完結していて欲しくて、私は感情を黒鉄に持ち越したくなかった。

そもそも、制作陣は同じメロディを使うことに対して、二番煎じだなんて全く思わなかったのだろうか。誰かストップをかけなかったのだろうか? 逆にアレンジをお願いしたと言うのなら、ぎりぎり溜飲を下げるだろう。でも、それは菅野祐悟に対して失礼だとも思ってしまう。アレンジで終わるような男だと思っているのならそれはまるっきり違うし、オタクの想像をはるかに超えてくれるような人だとも思っている。だから私は "菅野祐悟のその腕が遺憾無く発揮される音楽がかかる黒鉄" が見たかったのだと思う。

黒鉄も素晴らしかったとは思う。息を着く間もない展開、犯人の張り方や、怪しい役柄が上手い声優さんで固めたりと頑張りも見えた。だけど結局ハロ嫁の曲がかかると、ハロ嫁のシーンがチラついてしまうのである。今作の見所であろう、ライ、バーボンと呼び合うシーンでも、例のごとくハロ嫁の曲が流れていて、それも1番好きな曲だったので、映画館で息が止まったかと思った。ハロ嫁のメロディラインを使うということは、ハロ嫁を嫌でも思い出させるのだから、その事の大きさを製作陣は噛み締めて欲しかった。

ここまで、オタクの長いお気持ち表明文でした。まさか自分がこんなお気持ち表明文を書くとは思っていなかったです。

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