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操縦適性検査に向けての基本

今回は、航空大学校3次試験の操縦適性検査に向けて、計器の紹介をしていきます。まずは、当日どのようなFTD(Flight Training Device)で、どのような計器を見るのか、それぞれの計器の指示しているものについて、押さえていきましょう!
(かなり分かりやすく、平易な表現を使い、あくまで操縦適性検査向けの知識として最低限必要なことしか記載していないので、プロの方や在学中の方は、少々不正確な表現等を使っていることもあると思いますが、ご了承ください。)

操縦適性検査で使用されるであろうFTDについて

試験当日で使用されるFTDは、おそらく現在航空大学校の単発課程で使用されているSR22のFTDが使用されるであろうと想定しています。以前は、そもそもこのFTDはなく最近設置されており、実際にこのFTDを使用してでの試験になるかどうかは定かでないので、ご了承ください。(パイロット予備校の方などは、実際どのようなFTDを使用するかについて詳しいかもしれません。ただ、恐らく今このFTDしか航空大学校には無いと思います。)

シーラスSR22(出典:http://web-marketing.zako.org/google/google-earth/cockpit-add-on-for-the-sr22.html)

上の写真のような機材になります。コックピットは、下の写真のような感じです。

シーラスSR22のコックピット(出典:https://www.kouku-dai.ac.jp/seibi/aircraft/a36miya.html)

こんな機材のFTDを使用して試験を行うのかなぁとイメージしておいてください。

具体的な各計器の簡単な紹介

以降の図は、私の持っているシミュレーターのスクリーンショットを基に作成しました。

図1. 簡単な各計器の名前と役割

まず、図1を基に簡単に各計器を紹介します。高度計、速度計は言わずもがなですので、紹介は上の図に変えさせて頂きます。

次にHDGとは、飛行機の機首方向を指しています。上の図だと、101°方向を向いているということになります。

バンクとは、飛行機の傾きを表すものです。具体的には旋回をする際に操縦桿を左右に傾けて、バンクをつけて旋回します。下の図のようにバンクの1目盛りは10°です。バンク30°と言われたら、3目盛り分傾けてください。(具体的な操作と、計器の動きについては、次の投稿で紹介します。)

図2. バンクの1目盛り

次は、"ボール"

図3. ボール(旋回計("滑り"とも言ったりします。))

詳しくは、説明しませんがボールです。
飛行機がどのような状態で進んでいるのか、旋回をしているのかを示しています。簡単にイメージするなら、下のような状態などを表現しています。図3の右上の図のように台形が、完全に真ん中にないような状態を"滑っている"と言ったりします。ちなみに、上の図3は、左に滑っている状態であります。"ボールが左に少し飛んでいる"と言ったりします。

図4. 滑っている状態

続いて、pitch(ピッチ)についてです。

図5. pitch

pitch(ピッチ)とは、飛行機の機首の上下方向の向いている角度を示したものです。飛行機が上を向いているか、下を向いているかということですね!

1目盛りは2.5°で、上の図だとハの字の頂点が指示しているのがおおよそ真ん中なので、1.25°くらいということになります。実際にpitchを維持するためには、このハの字も見つつ、図5の上側の図のハの字の横の黄色い棒も参考にします。

最後に飛行方位計です。

図6. 飛行方位計

コンパスのような形で、HDGが変わればこの円も回転するようになっています。

最後に….

最後に、操縦する際の操縦桿についても紹介させて頂きます。
下の図のようなものです。この可動方向は、普通の操縦桿とほぼ同じです。
当日は恐らく左手で操縦することになると思います。

図7. 操縦桿の可動方向

航空大学校での訓練は、CPL(Commercial Pilot License)という"事業用操縦士"の資格取得に向けたものです。これは、一人で飛行機を操縦できるライセンスであります。
機長は、通常コックピットの左席。副操縦士は右席に着席して操縦をします。
なので訓練中は左席に着座し、左手メインで操縦することになります。

次の投稿で、具体的な何の計器を何を使ってコントロールするのかについて、より詳しく解説していきたいと思います。

お楽しみに!!!

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