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自分の気持ちを言えるということ

先日、前に勤めていた学校の保護者の方から、子どもの卒業式の写真が送られてきた。

写真の中でにっこりと笑うかわいい女の子は、中学校の制服を着ていた。スカートではなく、スラックスだった。

思ったことをそのまま送った。

「制服、似合ってますね。これが着たいって自分の気持ちを素直に言えるのって大事だし、素敵なことだと思います。」

すると、こんな返事がきた。
「相談されたとき、正直内心とまどいました。でもその通りですね。まわりから何と言われても、私が味方になっていればいいだけのことだからね。」


この子のように「スカートは履きたくない」と思っても、周りの目が気になったり、自分は他の人と違うのだろうかと悩んで、誰にも言えない子はたくさんいると思う。

この子が、自分の親に「スカートは嫌だ」と言えたことがどんなにすごいことか。きっと、「この人なら、自分の気持ちを受け止めてくれる」という信頼があったから言えたのだと思う。そんな関係は素晴らしいし、そんな人が近くにいることがどれだけ幸せなことだろう。そんな人が1人でもいるだけで、どれだけ救われるだろう。


今でこそ、制服が選べる学校が増えてきたり、いろんな色のランドセルが出てきたりして、男はこれ・女はこれというのが、ほんの少しずつなくなってきていると思う。
それでもやっぱりまだまだ、昔からの風潮が根深く残っている。

社会が変わっていくことはもちろん大事なのだが、私自身にできることは、目の前の1人ひとりの子どもたちの気持ちを、そのまま受けとめることだ。

子どもたちが「こんなことを思う自分はダメなんだろうか」「周りの人が聞いたらどう思うだろうか」と自分の気持ちを閉じ込めてしまわないよう、ただそばにいて、「そう思ったんだね」と受けとめる存在になること。

例えそれが、どんなに私が想像できない想いだったとしても。


その気持ちに対して、どうしていくかは、そのあとでいい。

"今の気持ち"が、大切なのだ。


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