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はやくはやくっていわないで

「はやくはやくっていわないで」
(著:益田ミリ)

これは、養護教諭になってから、本屋さんにすすめてもらって買った絵本である。

船が主人公のお話。
書いてある言葉を少しだけ紹介する。

"くらべられると どきどきする
どきどきすると どうなるの"
"どきどきすると ひんやりする
どきどきすると ちいさくなる"

"まっくらで かなしい きもち"

"どうしてできないの?ってきかないで"

"はやくはやくっていわないで"

これを初めて読んだとき、胸がぎゅーっとなって涙が出そうになった。

「あぁ、そうだよな。1人ひとりできること・できないことがあって、わからないこともたくさんあって、気持ちを上手く言葉にできないことだってあるんだよな。」と、学校の子どもたちの顔が浮かんだ。

学校は、みんなと同じことが求められてみんなと一緒に行動することが大事だと教えられて、だけど、それが苦手な子、ペースがゆっくりな子、いろんな子がいる。集団から遅れたり違うことをすることはダメとされている世界、学校に勤めていながらも「なんだかなぁ。」と思うときがある。

自分が小学生のときを思い返すと、写生会の絵が終わらなくて、みんなが国語をやっているときに隣の教室で絵を描いていたこと、授業中にあてられたけど答えられなくて、「わかりません。」も言えずに黙り込んでしまったこと、いろいろあったなぁ。
だけど担任の先生は、怒ったり急かしたりせず、待ってくれていた。優しい先生だった。

誰かが待ってくれているって、すごく安心できるし、心強い。

今の子どもたちは、やることがたくさんあって本当に忙しい毎日を送っている。

そんな中でも子どもたちが、ほっと一息、肩の力をぬける保健室でありたい。

「ゆっくりでいいよ。自分のペースでね。待ってるからね。」と言える養護教諭でいたい。

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