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夜が明けた

楽しいことが好きだった。
今も好きだ。
とりわけ小学校中学年頃は企画することが好きだった。
自分が楽しそうだと思うことはきっと周りも楽しそうだと思うだろうと思っていた。
特にハロウィンとクリスマスは家に友人を呼んで楽しみたかったし、そのためにプログラムを考えた。

出来上がって母に見せに行くと
「うちには友達を呼べないの。」
と断られてしまったけれど、懲りずに何度かお願いしていたら一度だけ叶ったことがある。

あれはハロウィンだった。
どうしても友人を呼ぶのはだめらしかったのでそれは叶わなかったけれど、それでも自分の考えたことで家族が楽しそうにしているのを見るのはいい気分だった。
母が魔女っぽい衣装を着てタルトタタンを焼いてくれたことをよく覚えている。

これ以降、イベント事ではあまりいい思い出がなくて、街が浮き足立ってくると反射的に渋い顔をしてしまっていたのだけど
今年は、そんなことするなんてどうかしてる、と思うくらいには幸せだった。

一緒にいてくれてありがとう。
メリークリスマス。
いい夜だね。

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