仮面ライダー 第2話「恐怖蝙蝠男」のレビュー

怪奇の次は恐怖。
コウモリを漢字で蝙蝠と記述するあたり、恐怖ですねぇ。
当時は漢字読めない年代相手にも容赦しない時代だったのでしよう。

*多分にネタバレを含みます。ご注意ください。


第2話「恐怖蝙蝠男」


ショッカーは新種ビールスを使って人体実験を行っているご様子。
昭和なのでビールスです。ヴィールスでもウィルスでもありません。

夜遅くに帰宅するお色気姉さん、突然気持ち悪い声がしたと思ったら「山野美穂、お前は我々ショッカーの栄光ある一員に選ばれたのだ!」とド直球に勧誘に現れた今回のショッカー怪人・蝙蝠男。
ブタ男と言えなくも無い容姿ですが、目だけが人の目なのでちょっと怖い。

そんな蝙蝠男のビールスにより、お色気姉さんは吸血鬼となってしまう。

翌日、バイクのレースに参加する本郷。
見事に優勝。そりゃ改造人間が競技に参加すれば勝てるのは当然。

レース後に花束を持ってお祝いに現れたのは、昨夜蝙蝠男に襲われたお色気姉さんだった。
突然本郷の首筋に噛みつこうとするお色気姉さん改め吸血鬼。
しかし、その姿をバイクのミラー越しに確認した本郷に回避され返り討ちにあい、呆気なく絶命してしまった。
その顔は恐ろしい顔に…。

一連の様子を観察しながら、実験は成功したとほくそ笑む怪しい輩がいた。

その夜、本郷は変死したお色気姉さんのマンションへ調査に向かうが、そこは既にショッカーの人体実験場になっていた。
住人は新種ビールスにより吸血鬼化した人間蝙蝠にされていた。とはいえ翼があるわけでは無いので、バンパイア的な存在です。

蝙蝠男の登場により、人間蝙蝠にされた住人が操られ本郷に迫る。

戦闘員は蹴散らすけれどバンパイア住人には手が出せない本郷は、ベランダから身を投げるとベルトの風車に風を送りライダーに変身。
まだ、変身ポーズか決定していない初期ならではの無茶な変身です。

蝙蝠男と屋上で対戦するが両者とも暗闇に溶け込んでよく見えない!

どうやらライダー優勢。
ショッカー本部では蝙蝠男の信号が途絶えたと。

首領曰く、劣勢の蝙蝠男は危険を察知して自己催眠で仮死状態になったらしい。
何の為に?と思ったのですが、ビールスに関する機密保持の為の様です。

蝙蝠男の仮死状態に連動して人間蝙蝠にされた住人も仮死状態に。なので、蝙蝠男が仮死状態の時にとどめを刺せば良いのではと思ったのですが、
IQ600の本郷は人間蝙蝠にされた住人も絶命してしまうと判断したのでしょう。

翌日、本郷は母校・城南大学の研究室で人間蝙蝠になった人から採取した血液を使いウィルスを調査して血清を作ろうとしていた。
忘れていたけど大学生なんですよ。
因みにこの大学はV3までちょくちょく出てきます。風見は本郷の後輩という設定ですから。

その頃Amigoにはルリ子がやって来た。
父殺しの本郷の居場所を教えろと立花藤兵衛に迫るが、教えるわけありません。
渋々店を出るルリ子。
オヤッさんは城南大学の本郷と連絡をする。
ええ、ルリ子も立ち聞きしてますよ。 

城南大学校門で本郷を見張るルリ子と女友だちのひろみ。
そこに血清は未完成だけど、本郷が出て来て尾行を開始する2人。

2人の尾行に気づいた本郷はAmigoに入店。
ルリ子達も入店して本郷が来店したはずだと立花藤兵衛に問うが…。

既に窓から退場していました。

実験マンションに到着した本郷は、蝙蝠男と連動して眠っている住人達を拘束していた。
更に本郷の後をつけて来たルリ子も到着。

先程までAmigoにいた立花のオヤっさんが既に到着しているのは笑える。

その後、花瓶を手にしたルリ子が座っている本郷を後ろから父の敵!と殴打…いや、それオヤっさんだから。

あら、どうしましょうとしていると、自己催眠から目覚めた人間蝙蝠の男が、ルミ子に本郷が緑川博士を殺害した証拠があると持ちかけ縄を解かせる。

…で、襲われる。

キャー!

本郷が救出に現れるが、既にルミ子は蝙蝠男に噛まれた後だった。

何処からかショッカー首領の声が響き渡り、緑川博士はショッカーを裏切ったから始末したと急にベラベラ話し始める。
おかげでルミ子の本郷への父殺しの誤解は解けた訳ですが、なぜ正直に言っちゃうのかな。首領は時々自ら作戦をぶち壊す事があるからなぁ。

本郷に降伏を条件にルリ子の命は助けてやると持ち掛ける蝙蝠男。 
ルリ子が助かる証拠を見せろと問う本郷にお人好しな蝙蝠男は自らの翼にある「目覚めのトゲ」を使って人間蝙蝠になった男性に刺すと恐ろしい顔つきが元の顔に戻った。

本当に助かる手段があったようで。

さぁ血清の秘密を聞き出した本郷=IQ600は、もうお前に用はないと言わんばかりにライダーに変身。 
戦闘員を投げ飛ばし再び暗闇で戦うライダーと蝙蝠男。

前回の戦闘時より頭部等が確認出来るほど多少明るいが視認性が悪い映像が続き、最終的に空中で後方に投げつける技「ライダー投げ」により地面に叩き付けられた蝙蝠男。
今回は泡にならず、画面に血飛沫が広がり絶命を示唆。

蝙蝠男の翼にある「目覚めのトゲ」から血清を精製して人間蝙蝠となった人々を助ける事に成功。

そして、助け出したルリ子は本郷への誤解も解けたばかりでは無く、惚れた女の顔してしまいます。

本郷にとっては自分を改造した博士の娘ですから…なかなか複雑な関係になりそうです。


以上



個人的感想を少しだけ

第2話についても怪奇路線は継続。

今回の怪人は、シン仮面ライダーにもコウモリおじさんことコウモリオーグとして登場する蝙蝠男。
コウモリオーグは上空高く飛行していましたが、原典である蝙蝠男は基本飛びません。
ジャンプして雰囲気だけ蝙蝠感を出していました。
まぁそれで良いと思います。

キャラクターはよく考えられています。
ゾル大佐などの中間管理職が登場していない事で幹部的な立ち位置であり、吸血鬼化するビールスを扱うなど化学者に思える怪人とした事で、格闘や運動能力は蜘蛛男より低かったご様子。

この辺はコウモリオーグのキャラクターも受け継いでいると思いました。
コウモリオーグのヴィールスは吸血鬼化しませんが。

また、今回の話は後の『仮面ライダーV3 第42話』にてリメイクされています。
蝙蝠男はヨロイ一族のカタツムリ怪人カタツブラーに、ビールスはカタツブラーの卵に改変されています。
言われなければ気が付かないかも知れないリメイクですが…。

以上


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?