麻雀プロ側の問題点

目次

  1. 批判は決して悪ではない

  2. 名誉毀損罪における親告罪の意義

  3. 麻雀プロに対する不信感

  4. 疑心を呼ぶ不透明な規定

  5. 総論

1 批判は決して悪ではない

麻雀ファンの批判は悪なのだろうか?
もう一度書くが、私は全くそう思わない
表現や態度を無闇に攻撃的にせず、悪意を相手に与えなければ良いだけだ。
良いものは良い。悪いものは悪い。
誰一人コレを言えなくなったら、麻雀界隈は本当に息苦しい世界になる。
「そうは言っても、どう受け取られるかは向こう次第じゃないか!」とか、「万が一訴えられたらどうするんだ!?😱」と心配してしまう方もいるだろう。
本題に入る前にここを説明しておこうと思う。

2 名誉毀損罪における親告罪の意義

誹謗中傷と批判の境界線は非常に曖昧だ。一線を越えれば反撃されるし、その一線が人によって異なるので分かりにくい。
しかし冷静に考えてほしい。例えば芸能人の不倫騒動で当事者が野次馬を「名誉毀損で訴えるぞ!」となったケースは多いだろうか?
麻雀プロ同士でも数年前に実際あったが、騒ぎ立てた野次馬が告訴されただろうか?
否である。
というのも名誉毀損罪が成立しないケースがあったり、裁判を起こした方がより被害者にダメージが入る場合があるからだ。
一体どういう事か?それについてはこの動画を見て頂いた方が早いので、ご紹介したい。
動画ではガーシーチャンネルという、芸能人の暴露チャンネルを題材としている。
※因みに東谷氏はこの後Youtubeの規約違反を犯し、チャンネルはBANされた。

如何だろうか。
名誉毀損罪で裁判を起こすという行為は、実はリスクもそれなりにあるのである
仮に麻雀プロやプロ団体に、貴方が正当な事実の指摘をして訴えられたとしても、受けるダメージは向こうの方が大きいだろう。
何故なら、裁判の記録は一般人でも閲覧できるからだ。一度裁判となれば内容が真実か否かは徹底的に調べ上げられるし、それを公表する裁判の記録を見られて困るのは?という理屈である。
確かに麻雀プロは辛辣な麻雀ファンを訴え、勝つ事は出来るかもしれない。その代償に多くのものを失いかねないが😌
だからこそ親告罪が適応されている。これは決して被害者に好き勝手させる為の特権という訳ではない。むしろ被害者のプライバシー、社会的信用を守る為の制度ともいえる。
逆に言えば相手に失うモノが無かったり、貴方の批判が全くのデタラメだと判断された場合は不利な展開になる。
打牌批判一つ取っても、自分の主張が絶対的な真実なのか?相手に対する人格攻撃になっていないか?は考えた方が良いだろう。
真実の指摘は免罪符ではない。正当性があっても言い方次第で法的措置を取られる。
おっと、またしても麻雀ファンに対する小言になってしまった😅これ以上小言を書くと本気で怒られそうなので、本題の麻雀プロ側の問題点について書こう。
今回も全部書くと長くなるので、最低限これは何とかしてほしい部分だけを取り上げた。

3 麻雀プロに対する不信感

麻雀プロ側の問題点とは何なのか?
一言で言うと、それは不信感である。
最近麻雀を知ったライト層の方々は何のことだ?🤔と首を傾げるだろうが、昔から麻雀界隈を知っている人なら分かるだろう。
例えば昔から麻雀=ギャンブルだと思っている私の母親は、未だに「麻雀プロ=雀荘でお金を賭けて勝負する怪しい人達」という認識を捨てきれていない。(Mリーガーは大企業所属だからと信用しているようだ😅)
他にも「プロであるのに給料が出ない」という点に首を傾げる人は多い。恐らく囲碁将棋やプロスポーツ選手と比較しているのだろう。
これは当然の反応だ。本来のプロの定義は概ねこういうものだからである。

wikipediaより引用

プロとは飛び抜けた技能で、収入を得て生活する人。一般的にはそう考えられている。
では果たして麻雀プロはこれに全員が当て嵌まるのだろうか?そもそも麻雀プロという存在をどう定義すれば良いのか?
ここが問題となる。
まずこれが大前提になるので、なんか怪しい仕事だな🤔という先入観が入ってしまう。
技量に関してもピンキリなので、大半の人は放送対局によく出るトッププロのレベルを基準に評価をするだろう。すると実力不足のプロのミスを見て「本当にプロなのか?」とファンが疑いの目で見てしまう。注目度が高いMリーグは特にその傾向が強いように見える。
こういった不信感が、麻雀プロに対するリスペクトを下げているのだと私は考える。
正直解決が難しそうな問題だが、全体のレベルを上げて一人でも多く食べていけるよう努力するしかなさそうだ。

4 疑心を呼ぶ不透明な規定

麻雀プロが不信感を持たれる理由はまだある。先入観だけではなく、プロ団体の内部構造や規定の不透明さだろう。
例えばプロ連盟の堀内事件や瀬戸熊プロのイエローカード騒動は、選手の行為が具体的にどの規定にどう違反して、何故あのような処分となったのか?
それが全くわからない。
イエローカードに関してはガイドラインも出ておらず、所属している選手すら規定が分からなかったとのことだ。

連盟所属の安藤銀一プロの意見

結果的にどちらのトラブルも、観客への詳細な説明が後出しになってしまった。
これは問題である。
第一、瀬戸熊プロのファンはこの対応に納得ができるのだろうか?私なら規定の内容を明文化せよ、と抗議文を送るだろう。
ファンも選手も内容を知らない規定に沿って、選手に重い処分が下される。それが麻雀という頭脳スポーツの在り方なのか?
規定を曖昧にせざるを得ないのなら、その理由を事前に告知するべきではないか。
そこまでやって漸く正当性を出せるのではないか?
と私なら考える。
情報の後出しで正当性を知らしめたところで、世間は疑いの目を向けるだけだ。
だからいつまで経っても、プロ連盟は昔の事件を持ち出され叩かれるのである。
今も疑われ続けている人達が正論を言っても、一度失った信用は簡単には取り戻せない。

4 何故明文化が必要なのか

誤解しないで欲しいのだが、私は選手が競技中に規約違反をして処分される事は当然だと考えている。処分の内容にも興味はない。
処分を行うのであれば「選手と観客が共有できる明確な根拠が必要である」という事を主張しているだけだ。競技である以上、選手も観客も全く知らない規定があるのは好ましくない。
曖昧な規定なら何故曖昧なのか?を先に説明すれば良いだけの話である。「言わなくてもそんなの分かるだろ?」では、自ら非難される隙を見せているのと同じ事だ。
更に言うならこれだけではなく「何の為に規定が存在するのか?」を考えて欲しい。
ここを無視すると今将棋界隈で話題になっている、マスク外しによる反則負けのような騒動が生まれてしまう。
あの規定は選手を貶める為の規定では無かった筈だ。本来はコロナ感染を防ぐ為に、棋士達に義務化させるものである。目的の部分を無視した立会人や相手が、将棋ファンから卑劣だと叩かれても別におかしくはない。
確かにルールは絶対だ。しかしそれで観客が全く納得できないのなら、放送対局としてはどうなのだろうか?
それを考えれば、先日の鈴木優プロが黒沢プロに行った少牌へのフォローは賞賛すべき行動であった。競技スポーツの規定は選手を貶める為ではなく、公正な勝負を観客に提供する側面もあると私は考えている。
彼はそれを理解していたから、咄嗟にあのようなフォローができたのかもしれない。そして多くの観客から喝采を浴び、信用を得た。
プロ連盟に限らず、選手が観客から信用を得るためには、明文化された規定は必要である。
2022年の北京五輪における高梨選手のようなケースが、今後の麻雀界隈で起こらない事を祈るばかりだ。

5 総論

またしても長くなったので意見を纏めよう。

・批判する事は悪ではない
・親告罪は被害者の特権ではない。裁判で公表される、被害者にとって不利益な情報の流出を避けるための制度である。
・だからといって法的措置が来ない保証はない。節度は大事。
・これらの制度があるにも関わらず、誹謗中傷が止まらないのはプロに対する不信感があるから。
・不透明な規定は百害あって一理なし。明文化されない規定に沿った処分は世間の疑心を呼ぶ。
・何の為の規定なのか、今一度考えるべき。

といったところだろうか。
正直なところ、麻雀プロ側も落ち度は沢山ある。一概にファンが悪いとはどうしても私には思えない。何しろ最初から「麻雀プロは怪しい人々」だと思われているのだから。
社会における信用も薄いから、SNSでフグ調理師が自分の仕事と一緒にするな!💢などと怒り出したりもするのだろう。子供達が憧れ注目してるのも「Mリーガー」であって、「麻雀プロ」ではないように見える。
誹謗中傷一つ取っても、団体の代表が他団体の選手に対して「麻雀をやめた方がいい」と公の場で立場を貶めるような発言をしたり(これは当然抗議されたが)、解説者が選手の容姿を揶揄って炎上しているではないか。
今回はたまたまプロ連盟の事件を取り上げただけの話で、他団体にだってツッコミどころはいくらでもある。ファンが律して麻雀プロ側が好き勝手振舞うのは虫のいい話だろう。
結局のところプロ側もファン側もどちらも悪いのだから、双方改善していくしかない。既に他の方も記事で書いてくれているが、もはや時代も環境も変化しているのだ。
次の記事でそれらの要因も踏まえた、自分が独自に考えている意見を書こうと思う。



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