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「なぜ本を読むのか。」私なりの答えはこれだと思った

文字なんて読めないころから「これとこれ!全部読むまで寝ないから!」と毎晩お母さんに読み聞かせノルマを課していた私。

物心ついたときには、寝る前に本を読むという習慣が自然とついていました。

寝る前どころか、家の中にいるときは常に本を読みながらうろうろ。(行儀が悪い!)
図書館で借りた本を読むのが待ちきれなくて、道を歩きながら読んでしまうことも。(なんて危ない子!)

私の人生において、"本を読むこと"は"ごはんを食べること"と同等、もしくはそれ以上の行為です。

だからあまり本を読まない人から「なんでそんなに本が好きなの?」と聞かれても、自分にとってはもはや好き嫌いという次元ではないのでうまく言語化できていませんでした。

そうやって長年ずっと本を読む意味について考えていたところ、すすめられて読んだ「新世代CEOの本棚」で「これだ!」という答えと出会いました。

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「新世代CEOの本棚」は今注目の若手CEOたちがどんな本を読みそこからどんな影響を受けて今があるのかを赤裸々に書いている本で、効率的に良書と出会えるのでぜひ一読をおすすめしたいのですがその中でハッとさせられたのがユーグレナの出雲社長のラスト1ページ。

出雲社長はクラシックが趣味のひとつで、クラシックにおいて常識とされる「素晴らしい指揮者が必要」という概念を覆した視覚障害をもつピアニスト・辻井伸行さんに感銘を受け、辻井さんのお母様が書いた本を読み込んだそうです。

また「素晴らしい指揮者が必要」という概念を覆すという意味で、オルフェウス室内管弦楽団という指揮者がいないオーケストラにも注目してハーバードビジネスレビューなどでその研究を読んでいました。

(前略)いつかオルフェウス室内管弦楽団のオーケストラで、辻井さんが「皇帝」のピアノをはじいてくれないか…とひそかに願っていました。
すると、なんと2014年、日本でまったくこの組み合わせ通りのコンサートが開催されたのです!もちろんチケットを取り、最前列で聴き惚れました。まさに、理想的な演奏。夢がかなった、と、涙が止まりませんでしたね。

この箇所を読んだとき、「そうか、わたしはこのために本を読むのだ」と気付きました。

出雲さんが涙を流して聴いたコンサートは、なんの背景も知らない人にとっては「いい演奏」「いいコンサート」にすぎません。

でもその背景にあるストーリーを知り、辻井さんとオルフェウス室内管弦楽団を自分の中で関連付けて自分のストーリーを再構築していたからこそ出雲さんにとってこのコンサートが特別なものになり心を震わせるものになったのだと思います。

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私は自分の人生について考えるとき「心が震えた総量」を大切にしています。

1日のうち何回心を震わせる体験をしたか。何人に心震える体験を提供できたか。
寝る前に必ず考えることです。

そして心震わす体験をするためには、そこにある背景を知り自分の中にストーリーをもち、特別なものをたくさん作っていく必要がある。
そのために本はあるのだ、とこの箇所を読んで気付きました。

ただ何かを知るだけであればWebの記事でも雑誌でも十分なのですが、本の方がより広く深く学ぶことができる気がします。

私は本を読むということは会話だと考えているので会話に例えると、Webの記事は友達との日常的な1対1のやりとり、雑誌は女子会や飲み会、本は落ち着いた喫茶店でじっくり膝を交えて聞く相手の人生についてのインタビューだと思っています。

生い立ちをはじめから今まで知っているからこそ、日常のなにげないやりとりや他の友人も交えた集まりでのその人の発言の中に特別なストーリーを見つけることができる。

同じ「おいしい」「楽しい」でも発言した人や場所、対象のもの、取り巻く環境によって全く異なる意味になって、その意味がわかった時大きく心が震えるのだと思う。

だから本を読むのです。

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何を知っているかで、見える世界は大きく違う。

そしてそれはただ「知っている」だけではなく、自分の中で消化して「自分にとっての意味づけ」をする必要がある。

そのための材料として、私にとっては本が一番使いやすいアイテムなんだなと。

そうやって考えてみて改めて、これからも心のメーターの振り幅を広げてくれる本を求めて、命ある限り本というものを愛し続けていきたいなあ、と思った次第です。

「新世代CEOの本棚」は他にもたくさんの気づきがあったので、このあとしばらく「新世代CEOの本棚」からのインスパイアシリーズが続く予定。笑

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