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noteの #買ってよかったもの だからできること

昨年比2.4倍もの投稿数が集まり、大盛況に終わった2020年の #買ってよかったもの。今年はさらに投稿を分析し、レポートの作成も行いました。

昨日はそのレポートを解説する配信イベントを開催したのですが、その際に「noteならではの #買ってよかったもの 投稿の特徴ってなんだろう?」という話になりました。

きっかけは、配信中にこんな感想をいただいたこと。

上記の通り、「買ってよかったもの」自体はnote発でもなんでもなく、昔からインターネットにあった文化のひとつです。最近はYouTubeの盛り上がりもあり、買ってよかったものをYouTubeで紹介する方も増えています。

ではnoteの「買ってよかったもの」の盛り上がりの背景には何があるのだろう、と考えたとき、そのヒントになるのはレポートでも分析していただいた「書きたい気持ち」の分類なのかなと思います。

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ブログの場合は検索流入をメインにしている人が多いためどうしても「便利」な情報に寄らざるをえません。または「変化」や「発見」など、書き手を知らない人が読んでも得られるものがあるトピックを書いている人が多いのではないかと思います。

しかしnoteの場合はもともとプラットフォームとして書き手の熱量が伝わるコンテンツの人気が高いこともあり、読み手側も記事の利便性だけではなく「モノを介したエッセイ」を期待して読んでいることが多いもよう。それが「偏愛」や「絆」など、普通のブログではなかなか出てこない分類に表れているように思います。

今回私もかなりの数の記事を読みましたが、何より驚いたのは「買ってよかったもの」として挙げられているアイテムの多様性です。

レポート作成に際しても、本当は定量的に傾向を分析したいなと思っていたのですが、言及されているアイテムも語り口も多様だったため、「ヒット商品ランキング」のようなものは作れないねと早々に断念した経緯があります。

でもそれこそがnoteらしさであり、noteの「買ってよかったもの」の強みなのだと思います。

本来、買い物にはひとりひとりのストーリーがあります。

他人にとっては価値がないものでも、買った本人にとっては購入までのプロセスや使ってみて変化したことまで含めてすべてが思い出として価値のあるものです。

noteの加藤さんも「買い物や料理も創作活動だ」とおっしゃっていたように、何を選びどう使うかがひとつのクリエイティビティであり、さらにそれをアウトプットすることで新たなつながりをうめる可能性が広がる。

noteはそういった「個人的な体験」が、ただ書きやすいだけではなく読まれやすい土壌があるからこそ、普通だったら表にはでてこないような個人的な話が投稿されるのだろうなと思います。

さらにこうしたnoteの #買ってよかったもの 投稿は、クチコミやレビューの新たなあり方として可能性があるのではないか、と個人的にはみています。

クチコミやレビューはどうしても「便利」や「コスパ」の話に終始してしまいがちです。もちろんそうした現実的な視点からの評価も重要なのですが、今後は「便利」や「コスパ」では割り切れない消費行動も増えていくはず。

モノとの素敵なエピソードを語るエッセイが、購買行動に与える影響も大きくなっていくのではないかとも思います。

またインフルエンサーへの不信感がここ数年で高まっていることも、「普通の人が普通に愛しているモノの話」の需要を高めているようにも感じます。仕事と割り切って次から次にモノを紹介する姿を見慣れてしまうと、何が本当にいいものなのかわからなくなってしまうからです。

だからこそ一般消費者がなんの見返りもなく「買ってよかった」と語る(しかも数千字もかけて!)コンテンツに可能性を感じるのです。

今回、私自身も記事をチェックしながら、記事中で言及されているブランドの方々に可能なかぎり該当記事を送りお知らせしてきました。バズったり有名人が書いた記事でなくとも、限られた予算の中で悩みに悩んで購入し、使う中で「買ってよかった」と言ってもらえる投稿は、中の人たちにとってとても励みになったようです。

「買ってよかったもの」自体は、note以外のプラットフォームでも人気のテーマであり、note上でなくとも表現できるトピックです。ただ、noteというプラットフォームだからこそ投稿できるスタイルや空気感があり、そこに集まる投稿は今後の購買行動を考える上でとても大きな可能性をもっているように思います。

また今年の年末にもこの企画を盛り上げていきたいですし、「noteの買ってよかったもので取り上げられること」を目標としてくださるブランドを増やしていきたいし、「買ってよかったもの」投稿をECの商品ページに埋め込むとかもできないかなあ、などぼんやり考えたりしています。

そのためにもショッピングページを含め、「買ってよかったもの」を通年で盛り上げていきたいなと思っているので、年末に書きそびれてしまった!という方も思い出したときにまた書いていただけると嬉しいです。

という感じで、今年もnoteのプロデューサーとしても精進していく所存ですので引き続きよろしくお願いいたします!

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