悔しかったら泣こう。 #2
学生のときにある言われた言葉があります。
『人目で見えるところで泣くな!悔しくても泣くんじゃない!』
え?ですよね。今の私ならわかります。
当時はわからないもので。大人の言うことって絶対な気がして。生きている世界も狭い。私は未だ覚えてます。伝えた大人はほとんど忘れていると思いますが。
元々私は気持ちパッション熱い人間。小さい頃から悔しいことあればよく泣いていました。兄との勝負(12歳差)でも負ければ泣く。テレビゲームでも泣く。勝つまでずっと果敢に攻める。かなりの負けず嫌いです。
少年野球でも試合に負ければ悔しくて泣く。自分で結構泣き虫だったと思いますね。感情ダダ漏れ人間です。
“なんで負けるんだ!悔しい!”と、自分に腹立ち、“次は絶対勝つ!”という思いで、ずっと胸の中で闘争心メラメラむき出しで次に目標を立て、チャレンジャー精神でいました。誰に似たんだろうか。そんな幼少期の萌木子です。
ですが、高校生から本格的に陸上競技を始め、たくさんのことを学ぶ裏側には、様々な経験がありました。大学に入り、シニアの大会で敗戦したレースのときのこと。試合終わり、控えで私は人目はばからず、号泣しました。
すると、当時の顧問の先生に、
「人目で見えるところで泣くな!悔しくても泣くんじゃない。ここで泣くな。みっともない」と、怒られ。このような言葉を投げかけられました。
18歳の私は大人の言葉の影響は未だ大きく、
“あぁそうなんだ”、とさらに心にダメージ。
悔しい、泣くこと🟰いけないこと
当時の私はそう受け止めました。それから泣く表現はやめよう。悔しい、泣くということは見せてはいけない、抱いてはいけないと感じ。
悔しい、と思ってもすぐフタをして、泣くこともやめ、徐々に何も感じなくなっていきました。
次第にほとんどなくなり。(シュチュエーションによりたまに泣くふりはしたこともありますが。)涙はほとんどでなくなりましたね。
社会人2年目の2012年の日本選手権。ロンドン五輪選考。大切な試合です。
この大会で100mで3位に入ったときのこと。優勝ももちろん狙っていたので、とても悔しさを爆発するはず、が。ゴール直後に、“あーあ、また負けちゃった。”と、それ以上もそれ以下もない私の感情。淡々としてる。まるで他人事のよう。なにも感じなくなってきていたのは事実です。
きっと心の奥深くは何か発信していたはず。が、フタにフタを重ね、見て見ぬフリ。出し方が分からなくなっていた、と言った方が近いのかな。
私はなにを目指していたんでしょうか?
なんのために頑張っているの?
身体と心がかけ離れ、目指すべき像とは明らか違いました。トップを目指しているはずなのに。悔しい気持ちがなくなるとアスリートしてもう終わったな、と感じていました。
喜怒哀楽があるのが人間です。
言葉があり、感情がここまである生き物はわたしたち人間だけです。せっかく生まれ持った人間の貴重な機能が全て失わせていたように思います。
気づいたときには怒ることも泣くことも悔しいこともほとんどなくなっていました。
これは果たしていいのでしょうか?
速かったらいいのでしょうか?
私はある時これに気づき、この感情を取り戻す作業をしました。このままだと本当に自分が潰れてしまう。数年かかりましたね。映画で泣くことや、笑うこと。素直な感情を出すように。深掘りもしました。嬉しいという感情。悲しいという感情。心のリハビリしてました。
みなさん、『インサイドヘッド』というピクサーの映画ご存じでしょうか?
感情すべての大切さを教えてくれる映画です。ヨロコビだけが大事なわけではなく、カナシミがあるからヨロコビが生まれる。必ず、カナシミとヨロコビがセットになっています。他にもイカリやビビリ…それが私たちの感情、ハッピーをもたらせてくれるのです。(ネタバレごめんなさい)
今もまだ少し名残はあるかもしれませんが、感情は取り戻せつつあります。素直に感情を出すことはとても大切です。赤ちゃんを見習うかぎりでございます。
ぜひ、悔しいときは悔しい。泣くときは泣いていい。と、私は思います。(感情的になり、暴言や暴力は別ですよ)
感情のコントロールももちろん大事ですが。
途中でやめてしまうと、出し切れず、残されたカナシミさんが、取り残されてしまい、行方がわからなくなり、また溜まってしまいます。出し切ることがポイントです。
その全ての感情を出し切ったら、次にスパンと切り替えて向かってください。これが大切です。
次どうしようか?どうしたいか?
この一歩がとても大事です。
全ての感情を大切にして、優しく包み、一歩一歩前へ力強く進んでください。それがあなたの強さを引き出してくれますよ。きっと。
ぜひその感情を受け止め、フタをせず。
せっかく人間なんだから、出していきましょう!
もし人様に何かしてしまったら、ごめんなさいも伝えられると魅力的ですね。
感動のできる人間になっていきたいです。
わたしも人間らしい人間を目指します。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。今日はこのへんで。ではまた。
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