ピンイン施行前後の期間に生み出された拡張ラテン文字

画像1 2月11日はピンインの日で、1958年のこの日に『漢語拼音方案』が批准され、ピンインが中国語ラテン文字正書法として認可されてから今年65周年を迎えました。ピンイン草案に含まれる字母及びピンイン施行前後に考案された各民族言語の拡張ラテン文字も多数生み出されました。画像はCatrinityフォントに含まれる字母です。
画像2 1959年式ウイグル語ラテン文字の字母名の一例画像です。字母名は…A[アー]/B[ベー]/C[ツェー]/D[デー]/E[エー]/Ə[アェー]/F[エフ]/G[ゲー]/H[ハー]/Ⱨ[ヘー]/I[イー]/J[ヂェー]/K[ケー]/Ⱪ[クヮー]/L[エル]/M[エム]/N[ネー]/O[オー]/Ɵ[オェー]/Ƣ[ガー]/P[ペー]/R[アル]/S[エス]/T[テー]/U[ウー]/Ü[ユー]/V[ヴェー]/W[ワー]/X[シー]/Y[ヤー]/Z[ゼー]/Ⱬ[ジェー]―とピンイン由来が中心です。
画像3 1957年式チワン語旧ラテン文字とプイ語旧ラテン文字は字母は共通ですが、吉川弘文館・刊『世界の文字の図典』に記載されているプイ語ラテン字母の大文字ではターンドMが《Ɯ》ではなく【Ш】―スモールキャピタルの《ꟺ》を大文字化―, トーン2は《Ƨ》ではなく【Г】と一部異なり、キリル文字ルーツであることが伝わっています。なお、ピンイン草案の第3声“上声”[˨˩˦]のダイアクリティカルマークははキャロン《ˇ》ではなくブリーブ《˘》が使用され、通常の文章は声調記号省略が基本でした。