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リッケンバッカーとわたし(1)

ヘタクソなベースを弾きます。
エレキ系楽器のきっかけは、「女子にモテたい」ことがもっとも正統な理由であろうと思いますが、わたしの場合は、あるアーティストへの憧れでした。
彼の名前はクリス・スクワイア。
プログレッシブバンド、イエスのベーシストです。
彼は体が大きく、ネックの長いリッケンバッカーベースすらまるでギターのようです。
その彼の演奏風景がなんともカッコよかったのと、ベースなのに激しく弾くスタイル。
惚れてしまいました。
その頃は楽器などやる気は全くなかったのですが、リッケンバッカーという音の良さに負け、知人を通して楽器屋に注文しました。
モデルは4001、色はメイプルグロー(一般で言うナチュラル)、ドットポジション。
希望したモデルはとうの昔に製造が終わっていまして、4003という現行モデルに全面移行していました。
でも4003はいらん。
「ちょっと時間がかかりそうやねー、気長に待ってて」と言われたら3日後に彼女は見つかりました。
見つけられるのを待っていたのかも。
なんでもオブジェ状態だったらしく、ほとんど使った痕跡がないと。
今更断ることもできず即決。
ちゃんと妻の許可は得ましたが、疑惑の目は感じました。
リッケンを注文するにあたり、いちおうセットで15000とかいう世にありがちなセットは買っておりました。もうモデル名も記憶にありませんけどね。
疑いの目を逸らすには相応の効果はあったと思います。
1週間後にやってきたリッケンバッカー4001 V63。
2000年製の復刻モデルです。
リッケンバッカー社は、人気のあったアーティストモデルを時々数量限定で作ります。
このモデルはポール・マッカートニー御大が使っていた4001に似せたモデルです。
ただしポール御大の4001、実はファイヤーグローと呼ばれる赤いボディなのですが、彼は後にその塗装をはぎ取って、クリア塗装を施したので、メイプルグローになってしまいました。
そのモデル。
ビートルズもポールも好きですが、後に複雑な気分にさせられることになるのでした。

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