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水原弘とわたし

親父は懐メロがすきな人で、歌番組全盛時代、テレビでも頻繁に耳にしたものでした。
その影響に違いない、当時から現在まで通して懐メロが大好きです。
「懐メロ」の定義はいろいろあろうと思いますが、ぼくの場合は昭和40年くらいまで。
「恋の季節」とか「ブルーライトヨコハマ」はすでにリアルタイムでしたから、この辺りがボーダーラインだと思います。

水原弘はリアルタイムで知りました。
歌ではなく、素行の悪さや借金。
仕事を終えると銀座で豪遊。
小学校にも上がっていない子供がそこから歌い手の名前を知るなど、ナンセンスだと思います。歌手を歌手として評価するのではなく、素行で評価する。
「お前に迷惑かけたか!?」っていう話です。
本当にくだらない。
けれど、彼は立ち直りました。
「君こそ我が命」
明るく前向きな歌です。
曲調の良さ、貫禄で、悪評を吹き飛ばしました。

しかし彼を好きになったのはごく最近のこと。
彼の代表曲は「黒い花びら」です。
第一回レコード大賞受賞曲という形容を以て紹介されます。
ぼくが彼に目覚めたのは「黄昏のビギン」だったのです。
豊かな声量を背景に、優しく歌い込む力量。
声を張り上げる歌ではないから、声量を抑えながら歌います。
これを基調とできるのが素晴らしいと感じました。
これもジェネレーションギャップなのかもしれませんが、昨今黄昏のビギンといえば、ちあきなおみなんですよね。
でも全然タイプが違う。もう、別の曲と言っていいくらいです。
彼女の歌唱もとても良いです。
でも違う。この曲が目指していたのは、水原弘の世界観なのです。
彼が歌うことを前提に作られているとさえ思っています。
その期待に完璧に答えているとさえ思います。

ここ2週間ほど、FMおたるがこの曲を集中的に取り上げました。
いや、意図的なものではなく、あくまで偶然だったようです。
しかも全部水原弘版にて扱われました。
歌唱指導のコーナーあり、カバーあり。
ワクワクでした。
あまり話題にされない彼に光が当たったようでもあり、少しうれしかったです。

ここ10年。
ベースを弾くばかりで、歌を忘れていました。
ちょっと歌ってもいいかなー。
ろくに歌いもしないんですが、あなたが思うよりうまいらしいです。
中高と大声で歌っていた成果でしょうか^_^

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