楽曲の商品価値

ちょっとずっと疑問に思っていたことがあるので書き留めて置く

今iTunesで販売されている電子フォーマット楽曲価格は1曲150円から250円である(平均)

アルバムまたはミニアルバムを制作するアーティストのコスト、例えば楽曲作りそのものに掛かる演奏費、録音費、人件費。周りをフォローするA&Rの人件費。盤面のデザイン、プロモーションなどその他諸々。

さらっと書いただけでも相当な時間と労力が費やされているのがわかる。

今は誰でも物によっては大した技術力を必要とせず、DTMや表現として、ファッションとしてDJしたり楽曲制作したりできる現状がある。

もちろんそんな経験や技術力とは関係なく音楽1曲の価格は同列として扱われ、販売される。

たとえそれがUnderworldであれRadioheadであれ、デビューしたてであれ同額である。もちろん、シューベルトやドゥビュシーとだって同列に販売される。

そのことに対してちょっとした疑問をずっと持っていた。

マルクスの資本論に則れば、価値を決める要素は物質(物自体の素材)コストと時間コストである。時間をかけて作られたものほど価値が高い。

例えば食事。ファストフード店で食事するメリットは安い・早いである。一流フランス料理店では素材しかり、場所(空間)、サービス、技術、ブランド力が相まって高級な価格設定となっている。

アートに置いても、デザインに置いてもファッションに置いても、同様で一点もの、ロット数が少ないもの、希少価値が高い素材のもの、特別にパターンが引かれたもの、ブランド力に価値があるもの、それぞれ付加価値を付ける理由である。

だがしかし、楽曲販売における価格設定はいくら希少価値が高い機材を使っても、特殊な技術を使っても、生音を録音する為に時間を使って山に篭っても、制作に費やされる価値が反映されることはなく、一定の標準価格で取引されている。

これについては何故なんだろうとずっと思っていた。

他にもこういう一定価格での取引が主流の販売物があるかもしれない。

だけど現在音楽CDという物質的価値が崩壊しかかっているいま、電子フォーマット楽曲の価値の在り方に疑問視する声が上がってもいいのになと思う。

正直アーティストは霞を食って生きているわけではないので最高の制作環境、制作に向けるメンタルの安定、時間の確保が得られる金銭的充足は必要なわけで。安安と扱われる楽曲価格に自分はどうしても疑問を抱かざる得ないのでした。

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