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SUPERIOR DRUMMER 覚書

今月はドラム強化月間でした。世にはまだ出てないけど...出たらご報告しますね。

今回は購入からしばらく経って使い方分かってきたのでSUPERIOR DRUMMER 3(以下SD)の覚書を残しておきたいと思います。迷ってる方の判断材料やお持ちでない方にもドラムの打ち込みで役に立つようなことも書いていけたらいいな~是非お付き合いください。

(ありがたいことによく見られているので少しだけ追記しました。)

購入動機

生録の環境がないので、以下の希望に相当する音源が欲しかったことです。

使い込めるある程度の将来性・・・拡張を含むアップデートがちゃんとなされていて、操作の勉強が無駄になりにくそうな音源。DAWやプラグインの操作の勉強は音楽自体の勉強より優先されるべきものではないですが、操作は出来るようになった方が製作は早くなり得ます。
表現に対して応えてくれるリアルさ・・・リアルさを追求するのであれば、元がいい音で録音できてないとミックスで何やっても無駄だと感じます。逆もまた然りです。音が良ければそれだけでOKだと感じることもあります。
ベースのエディターの素養の高さ・・・打ち込みが面倒で立ち上げなくなったら買った意味がないです。曲に合わせて音を調整する必要もあってそこが容易なのも重要な要素だと思います。

現状はその希望に答えてくれていると感じます。

良いところ

他と比べることにはなってしまいますが、全てのドラム音源の「上位互換」だとは考えていません。

・音いい。

以上。笑 デモ聴いてみてください。キックとスネアの密度感とシンバルの残響が消えていくところが一番綺麗で買うことを決めました。キット、ミックスのプリセットも優秀だと思いますが、さらに詰める余地もあります。触りがいあります笑

・動作が軽く、打ち込みやすい

後述する容量が多い割に、意外なほどに軽い。Play Styleが優秀で基本のビートから音数を間引いたり増やしたり…がかなり簡単にできます。ランダマイズもドラム用なのでDAW上でやるより的を得たランダマイズです。これとは別に勝手にランダマイズされる機能もあるのでデモ程度ならベタ打ちでも良さそう。

・拡張ライブラリーのセンスがいい

機能を把握するので必死でまだ買ってないんですけど...笑

Coreライブラリーでもとてもいい音ですが、もっと違う音が欲しいor時短したいという方向けに拡張ライブラリーもあります。21年10月現在で私が目星付けてるのは上げておきます。私はアコースティックな音楽を志向していてメタルとかはあんまり分からないですが、これは他に好きな方がいっぱいいるのでそちらに譲ります。

SDX(SD専用の拡張ライブラリー)からは

DECADES SDX

FIELDS OF ROCK SDX

EZX(EzDrummerと兼用できる拡張ライブラリー)からは

IN THE POCKET EZX 

GOSPEL EZX

新しいのがイケてるのが嬉しい。これとは別にMIDIパックが販売されていて、手間軽減とネタになるので音源と被ってないものも欲しいです。

多分ブラックフライデーとかは拡張一個セットになって実質セールになると思うのでそちら狙ってる方がいれば参考にしてください。

(11月13日追記)

上に挙げたやつ全部セールじゃなかった('ω')それじゃあんまりだってことでセール中のEZXから三つピックアップします。

1.HIP-HOP! 2.Custom Shop 3.Action!

1. 当然かもしれませんが、基本的に新しいものの方が今っぽい音がする中でジャンルの特性上HIPHOPはずっと「それっぽい」はず。キックの密度が良く、特有のズレがMIDIでついてくるの最高では?サンプル集めるよりずっと良さそう。

2.ちょっとジャジーなポップス向けってなかなか無い気がする絶妙なチョイス。あっさりした味付けでアコースティックな小編成にとても映えそう。シンバルが少し珍しいBosphorusとUFIPという私推しのメーカーで好き。

3.一番売れてなさそうだけど、今回一番の発見枠。シネマテックテクスチャーの詰め合わせでドラムのインスタンスの中でこの手の音にアクセスできるのは魅力的。勿論曲は選ぶけど、他のライブラリーと組み合わせてドラムと曲全体の橋渡しをしてくれそう。

SDXとかにも代わり効かないものがEZXに入ってるの凄い!EZXは下位互換じゃないですね。認識を改めました。

悪いところ

全ての人がSDを選べばいいかといえばそうではありません。(勿論私は勧めます、だって単純にすごいもの)

・流石に容量はとる

SSDは必須なのかな。240Gです。世の端末がこれだけ大容量になってきてもなお軽いとは言い難いと思います。一応ライブラリーは選んでダウンロードもできますが、これを買おうと考えてる人は中途半端なことはしないでしょう。ライブラリー追加分であるアンビエンス成分も美味しいところでもあります。

・ADでもいい気がする。

生演奏の差し替え前提なら特に、他社のミックスが簡便な打ち込みやすい製品でもいいです。打ち込みで、どこまでやるかは人によるところです。ミックスはかなり生的な処理が必要になっていると思われます。定番所のADをプロも使っているのは、まさにデモで使いやすいからでしょう。SSDも似た感じ、ロックな音が出来上がってる強み。同社のEz DRUMMERならクロスグレードもあるし、一部拡張音源は共有できます。個人的にはUJAMのVDrummerも味付けがはっきりしてて好きです。トレンド感のあるADみたいな感じ。

・楽器の追加が容易ではない

各種『スロット』に対して楽器をハメていく形で『スロット』以上に自由に楽器を配置することは出来ません。また1つのプラグイン内でスティックとブラシの持ち替えなども出来ません。

私はハイハットの隣やタムの位置にサブスネアを置くセッティングがとても好きなのですが、それが出来ないのは理解できるとはいえ残念です。シンバルをぎょうさん広げておきたい人にも引っ掛かることだと思います。便宜的な解決法は後ほど。

使い方一例

・Grid Editorの活用

個人的には制作フローで一番しっくり来た方法です。SDはドラム用のDAWともいえるオールインワンっぷり。ミックスも可能な限りパラアウトしたくないし、しなくても内部のミキサーとエフェクトだけでかなりいいところに行けます。

が、DAW上でやった方がいいこともあります。他のパートとの兼ね合いなどで変わる打ち込みですね。ベースとキメ合わせたり、大雑把な音量感を揃えておくにはDAW上で打ち込んだ方が良いです。

そこまでして最後の詰めでSD内のGridEditorが活きます。アーティキュレーションの微調整やランダマイズはGridEditorが格段に楽です。キット毎に奏法に微妙な差があるのでDAW側のキーマップだけでは対応できないんですよね。DAW側のキーマップは最小限なものと大体を網羅しているもの2つを組み合わせています。それでも足りない時に...GridEditorを活用するということですね。

結論、私の今のドラムの打ち込みフローは

『①打ち込みorMIDIパターンの貼り付けor電子ドラムの打ち込み』から『②DAW上で大雑把な調整』必要があれば『③GridEditorでの微調整』

となります。多少は手間ではありますが思い通りに音並べられる感動はSD以外では得られないかな。

使ってる人向けの本当のTipsとしてはSD内でいくつかトラックを作成しておくことが出来るので、試行錯誤の最後に空のトラックに切り替えておくと再生音が被るミスが減っていいです。

・奏法の追加

キットを読み込んだ段階では奏法(アーティキュレーション)が全て解放されていないようです。容量削減のためだとは思いますが、ケチケチせずに全部開放しましょう。場所はココ。

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クラッシュをクラッシュさせるだけの人たちのせいで微妙に評価下がってる節があるのでここは強調しておきたい。

(11月13日追記)

・Stackを積極的に活用する。

無い音をEQやらエフェクターでどうこうするより、Stack(重ね)を活用した方が良い結果につながることが多いです。特にジャンルを問わず、キックは重ねることが多く、スネアもやることが多いかも。

SDのレパートリーにはStackに適したリズムマシン由来のサンプルも大量にあるので、ローを足すには困らないと思います。アーティキュレーション毎にStackできるのでスネアの一奏法にクラップをアサインしておいて4で鳴らすとかできますね。

外部からオーディオファイルをインポートすることもできます。SD内のミキサーを活用できるので馴染みも良くなるかな。あんまりトリッキーな使い方したことありませんが、DAW上で色々試した後SDに取り込むのは良い手法かと思われます。

Tips

・パラアウトのやり方

この記事革命でした。各キットの音をオーディオで書き出す時は左下のタブからやれば一発ですよという記事。

他にも音作りについての記事もあるのでお勧めです。数値はともかく、意図がちゃんと書いてあるので勉強になります。

(11月13日追記)

基本的な機能解説はここが全部してくれてますね~長いのでご覚悟をw ①②はよく使うところも多いので見てもいいかも。

・複数スロット増やすために

前述のとおり、SDは基本的に『スロット』式なのでスロット以上に楽器を増やすには同じインスタンスをコピーするのが一周回ってめんどくさくない…気がします。

スネアの持ち替えは単純コピーですが、シンバルは基本的に演奏途中に変えることがない楽器ではあるのでそのままだと違和感ある方もいると思います。そんな時はSD内で更に位相反転してしまいましょう。

無題

MIXER画面の左上メニューから「stereo reverse mixer」ってところから位相反転が出来ます。実はこの記事書くきっかけでした。

(厳密にいえばマイクを新設したりも出来るのですが、プリセットの基本的なバランスを弄るのは理解できてる上級者向けな項目だと思うのでなるだけプリセットから変えないのを方針として決めています。)

・収録マイクを見ておく

マイク

公式サイトに使ったマイクとその位置関係が書いてあります。見ましょう。ミックスの時の助けになると思います。動画もかなり丁寧に録ってあるのでyoutubeチャンネル見ておくとイメージがつかみやすいと思います。

当然個体差もありますが、各パーツの名前が載っているのでこちらもYoutube等でそのキット、パーツの音の傾向を調べておくと役に立つこともあるでしょう。メーカーによってジャンルによって、どんなプレイヤーが選んでどんなプレイをしてるか、はめちゃ勉強になります。

動画でこれほど見れるっていい時代だぁ…

おわりに

勢いで書き連ねたので間違っているところがあったら教えてください!私ぐらいの感覚で買う人の参考になれば幸いです。

以下は迷ってる人向けに書きます。めちゃめちゃ好きなので皆に勧めたい一方で、ここまではいらないと思った人もいるはず。他のあれやこれに比べたらちゃんとミックスしないといけないのは確かで、そもそも制作でドラムに凝りすぎるのはマイナスだなと感じます。そういう人にはEZ DRUMMERを私は推します。優秀なエディター部分はほとんど変わらないですし、各々の得意な拡張を少し買い足せばドラムの悩みは消え去りそう。EZXはマジでイケてるのね。

それでも凝りたい奇特な人はこっち来ましょ。それで色々教えてください笑 メタル方面弱いのでぜひ色々聞いてみたい。

日本には多そう宅録環境無いドラマー。肩身狭いけどツール使いこなして頑張っていこうぜ。ドラムのお悩みとかご依頼とかも待ってます~

役に立つ系の記事そんなに書けるわけではないで、次はほんとの今更自己紹介でもしようと思います。

読んでくれてありがとう。

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