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日高山脈、国立公園へ そこで平取町の旅

「日髙山脈襟裳(えりも)国定公園」について、環境省の諮問機関・中央環境審議会の自然環境部会は、5月22日国立公園に指定することを決めた。正式には6月下旬頃正式に指定される見通しだが、「日高山脈襟裳十勝国立公園」になるようだ。「十勝」を入れることの賛否があったが、日髙・十勝両管内にまたがる地域であり、自然保護と観光振興の議論が進むことは間違いない。それにしても名称が長い。「利尻礼文サロベツ国立公園」と並んで最長の12文字である。(タイトルの写真は平取町二風谷ダム左岸展望台より)

《日高山脈について》

 北海道南部を南北に貫く日高山脈。北は狩勝峠の佐幌岳から南は襟裳岬まで150㎞に及ぶ。最高峰は2052mの幌尻岳(日本100名山)。プレートがぶつかって
できた脊梁山脈。氷河の痕跡「カール」と稜線の鋭く切れ込んだ「ナイフリッジ」などの地形がその特徴である。1000m〜2000m級の山々だが急峻であり山脈越えは厳しい。狩勝峠(石狩と十勝)、日勝峠(日高と十勝)、天馬街道といわれる野塚トンネルぐらいである。


日高振興局が令和5年に作成した「日高山脈マップ」日高側からの
ビューポイントが紹介されている。              

https://www.hidaka.pref.hokkaido.lg.jp/hk/kks/146448.html

日高振興局HPより

《登山》

日高山脈 最高峰幌尻岳登山口に向かう、国道237号線から道道638号線へ(平取町岩知志)


平取町豊糠(とよぬか)から額平川沿いの林道を行くと登山口。北海道の山でも難易度の高い山とか

 日高山脈に登るとしたら、有名なところは
1 幌尻岳(ポロシリ岳)2052m アイヌ語で「大きい山」
  ヌカビラ川登山道(平取町糠平)〜車道終点から4㎞地点に幌尻山荘あり
  奥新冠ダムルート〜ダムから林道を5㎞ほど歩き、5時間の登山
  沢登りルートもある
2 ペテガリ岳 1736m アイヌ語で「回遊する川」
  南日高の女王といわれる山 東面に3つのカールがある
  浦河町荻伏から元浦川林道を登り、神威山荘から入山ペテガリ山荘まで歩く
3 アポイ岳  810m
  様似町にあるアポイ岳  アイヌ語で「アペ(火)・オイ(多いところ)・ヌ
 プリ(山)」(大火を焚いた山)
  アポイ岳ジオパークビジターセンタからの登山
 
 ☆ビロも私も本格的登山は得意ではないので3山とも登ったことはない。本
  州の3000m級の山々の高山性があるといわれ、生物の多様性と手つかずの自
  然が魅力である。

《幻の横断道路》

 日高や道央圏と十勝を結ぶルートはいくつかあるが、かつて「日高横断道路」の計画があった。1984年着工し20年の歳月と540億円の費用を投じ79㎞を建設したが、残り21㎞で建設中止となった(2019年)。それは、急峻な地形や崩れやすい地盤のため、追加で980億円の費用と40年近い歳月が必要と試算された。

 現在は通行できないが、一部が道道111号線(静内中札内線)として残る。マニアの間では有名な道路らしい。

新日高町静内田原交差点 まっすぐ行くと道道111号線 高見ダムの上流まで行ける


《日高山脈周辺のまち①  平取町》

ユーカラとすずらんのまち平取町 道南バスの停留所に書かれている
二風谷(にぶたに)地区はアイヌ文化の伝承館や「二風谷アイヌ文化博物館」、「萱野茂二風谷アイヌ資料館」などがある。過去に訪れた10年ほど前からリニューアルされたものも多く、「ゴールデンカムイ」の影響があるのかもしれない。                                 
道道845号を上流へ向かい、「芽生(めむ)」という集落を過ぎて平取ダムを越えると群生地がある。
15haという広い群生地だが、すずらんが咲いているものの周りの草が伸びて時期が少し遅かったかもしれない。5月下旬から6月上旬にかけて鑑賞会が行われるらしい。今年度は6月9日で公開が終了。ちなみに、この地区には「びらとり和牛」の町営牧場もあり名物となっている。              
平取町に「義経神社」がある。義経伝説と北海道の関係も興味が湧く。そういえば小樽市総合博物館にも蒸気機関車「しずか号」、京都市とさいたま市に「義経号」と「弁慶号」がある。合わせて「官営幌内鉄道」についても思いを馳せる。                                 
平取町振内(ふれない)にある「鉄道記念館」。かつて北海道鉱業鉄道から国鉄となり、富内線が鵡川から日高までとなる。、平取に4つの駅がつくられたらしい。                    


鉄道博物館にある施設 富内線(とみうちせん)については「熊鉄」さんの「北海道の廃線跡探訪 第12回 富内線(1/4)鵡川~春日間」に詳しい。                           


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