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有形固定資産の取得原価と費用配分

〇有形固定資産の取得原価について 有形固定資産の取得原価の論点としては、5つある。「購入」「自家建設」「現物出資」「交換」「贈与」である。

「自家建設」とは、棚卸資産の「生産品」と類似し、「自分で作ったもの」の有形固定資産の原価は どうするのか。といった話になる。 比較 棚卸資産の生産品→正常実際製造原価 有形固定資産の自家建設→製造原価 をもって、取得費用とする。

自家建設の時、その費用を金融機関に借り入れる場合が考えられる。その時、借入金に対する利子が発生する。その時、借入金に対する利子が発生する。この利子は、取得原価に含めたほうが良いのか?この点に関して原則の取り扱いでは、利子は取得原価には含めず、発生した期間の「費用」として取り扱う。

しかし、例外として、この借入資本に対する利子を取得原価に含めることができる。この例外規定は、次の3つの場合に適用することができる。 ①自家建設に要するものであること ②借入資本の利子であること ③稼働前の期間に属するものであること この3つの条件がそろったときは、借入資本に係る利子を取得原価に含めることができる。
では、なぜなのか。 財務諸表論の考え方の基礎となる目的「適正な期間損益の計算」の観点から考えてみると、稼働前に借入資本の費用を計上すると、稼働前(つまり工事中)は収益が計上されないにも関わらず、費用のみ利子が計上されてしまう。
これは「収益費用対応の原則」からしても如何なものだろうか。 そこで、収益と費用の適正な対応をさせるため、利子を建物原価に算入し、建物が完成したのち、減価償却によって費用を期間配分することによって、稼働後に収益と費用を同時的に計上させ、対応させることとした。
交換 固有資産を交換した→自己資産の適正な簿価。
有価証券を交換した→有価証券の時価・適正な簿価。
にて評価する


有価証券を渡し、有形固定資産を交換した場合には、渡した有価証券の時価で評価するのが原則である。しかし、時価が不明の時は簿価で評価する。

交換によって有形固定資産を取得したときに、同種交換と異種交換とで、時価と簿価で評価の仕方が 違う。 これは、同種資産の交換した場合には、「投資の継続性」が認められるためである。

例えば、自己の有価証券と他人の有形固定資産を交換する場合、考え方として、いったん有価証券を譲渡・現金化し、手に入れる有形固定資産に再投資したと考える。ここに、投資の断続があり、継続性がない。現金化はもちろん時価で売れる。したがって、異種資産の交換においては、原則「時価」評価である。

「贈与」 贈与によって有形固定資産を取得した場合には、時価等を基準として公正に評価した額を取得原価とする。公正に評価とされているのは、不動産の評価の仕方に種類があるためである。 では、取得原価がなぜゼロではいけないのか。 この点、取得原価がゼロになると、簿外資産が存在してしまうことになる。そのため、利害関係者の判断を誤らせる可能性がある。また、取得原価をゼロにすると減価償却が行えないため、適正な期間損益計算が行えないためである。

【有形固定資産の費用配分】 有形固定資産の費用配分の方法は、減価償却である。減価償却とは、費用配分の原則に基づいて、有形固定資産の取得原価をその耐用期間における事業年度に費用として配分することである。

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