ティー・レディが居てくれたら・・・。
ひとが淹れてくれたお茶。
なんでこんなに美味しいんでしょう。(^^)
緑茶、紅茶、コーヒーなど種類を問わず・・です。
一口飲めば「は~」とか「ほ~」とかホッとする溜息がつい出てしまうくらい美味しいですよね。
心遣いや思いやりも一緒にいただくからでしょうか。
20世紀前半に遡りますが、英国には「ティー・レディ」と呼ばれる女性達が
いました。
彼女たちの役割は会社や工場で働く社員たちにお茶を提供すること。
傍らのワゴンには紅茶を淹れるための様々な道具が。
大きなポットから熱々の”A nice cup of tea”(一杯の美味しい紅茶)をサーブして働く人たちの疲れを癒す
そんな役割を担っていました。
コーヒーメーカーや自動販売機、最近ではマイボトル。
職場での一服の仕方もだいぶ様変わりしましたね。
便利な道具の出現とまた女性の仕事や価値観が大きく変わったがゆえ、
現代ではほとんど「ティー・レディ」は存在しません。
私が就職した頃は(ウン十年前)
『お茶くみは女の仕事』があたりまえ。
一日に何回か女性職員が交代でお茶を淹れる光景が「普通」でした。
現代は
『飲みたい人が各自の方法で』があたりまえ。
お客様にはお茶を出すものの、上司といえど
「お~い、お茶」なんてとんでもない
それが「普通」になりました。
(ちなみに若い世代の方々には商品名「お~い、お茶」の由来を知らない方々が・・・。職場はもちろん家庭でもお茶の習慣が変わりました。)
以前雑誌で「喫茶の習慣と国の発展について」研究している方の
興味深い記事を読んだ事があります。
『爆発的な経済発展をした国々には「お茶を飲む習慣」がある事が共通点』
確かに!!
産業革命で飛躍的な発展を遂げたイギリスをはじめ
日本、中国、インド・・・。お茶の種類は違えど国民全体で
日常的に「お茶」を飲んでいます。
お茶は世界三大嗜好品の一つで、他の二つはお酒とタバコです。
お茶だけが唯一体に害がないものです。
またご存知の通り、風邪予防、花粉症の軽減などなど
薬とは違った緩やかな形で健康維持に役立っています。
それとお茶をしながらのおしゃべり。これも大事でしょう!
コロナ禍でヒトとの交流が減って「雑談の大切さ」を感じている方も
多いはず。
お茶しながら周囲の人たちと他愛ないおしゃべり
これがすごく精神衛生上よかったのでは・・・。
また英国発祥の喫茶店やカフェの前身「コーヒーハウス」。
家の外のパブリック(公的)な場で人々が集ってお茶をするのは
コーヒーハウスから始まりました。(当初は女人禁制)
ここで保険や郵便など経済の基盤となる仕組みが話し合われ、形になっていった事は有名です。
思考を高めたり共有したり、
その傍らにお茶がある
そう、『「お茶をする」って大事なんですよ』
(って握りこぶししながら力説したい。(^^))
心がささくれてしまうようなニュースが多い中、
まずは丁寧に一杯のお茶を淹れてみませんか?
普段は大きめのマグカップにティーバッグの紅茶が多い私ですが
最近意図してカップを変えてみたりしています。
(同じティーバッグでも不思議と味が違う!)
まぁ、たまには淹れていただけるとありがたいなぁ・・・。
あぁ、そばに専属ティー・レディが居てくれたら・・・。(心の声です。)
いただくのも嬉しいし、「美味しい」と言っていただけるのも嬉しいので
感染症流行が落ち着いたらキルトの生徒さん達とのティータイムも
以前のように楽しみたいと思っています。(今はペットボトルで我慢😣ですが、大丈夫になったら「一杯入魂」な~んて感じでお出ししたい(笑))
キルトとお茶。
そしてそれらを通してのひととの繋がり。
改めて大切にしていきたいと思います。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
寒い時期に戦禍の中で過ごす方々はお茶で癒される機会はあるのでしょうか。
一分一秒でも早く心穏やかに、大切な方々と一緒にお茶を楽しめる日がくることを願ってやみません。