【終】憧憬の道、造形の街
その街に行くには、十九年もの間、罪を一度も犯していないという褒賞が必要になる。自由を受け取るために、不自由を選ばなければならない最低年数が十九年だという話である。その街に繋がる道は、この世の何処かに現れるという。しかし、その街での日々を綴った記事は、ネット中どこを漁っても見当たらない。書籍も無い。噂に聞いた街の断片を、繋げてひとつの物語にしてみる。そして自分を、いや世界すらも騙して創り上げる。
「憧憬の道、造形の街」俺はこの1年間、自分を欺いてきたのだ。空から言葉が、思想が