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📘愛欺くブルー鬱陶しい快晴が広がっている空を見上げながら、毒づいた。どうせこんな綺麗な紺碧の空も、ありふれた漆黒の色に染め上げられるのだと。加減を知らない今年の猛暑は、底抜けに明るいだけのJ-POPがよく似合いそうだと思った。 今日はデートの予定だったにもかかわらず、昨夜から恋人と連絡がつかない。昨日は彼女と僕のバイトの時間帯が丁度ズレていて、彼女の終業時刻に入れ替わるように僕は始業することになった。多分この時点で、僕は彼女に欺かれていた。嫌な予感は既にあった。ただ、彼女を