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第一エッセイ集『憧憬の道、造形の街』

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完結済み、全15編。 大学の登下校中に考えたことや、妄想。旅先で我が身に降りかかった災厄や、まことしやかに囁かれる噂。創作をもって、現実社会に静かな怒りを表明する。フィクションあ…
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2024年4月の記事一覧

【終】憧憬の道、造形の街

その街に行くには、十九年もの間、罪を一度も犯していないという褒賞が必要になる。自由を受け取るために、不自由を選ばなければならない最低年数が十九年だという話である。その街に繋がる道は、この世の何処かに現れるという。しかし、その街での日々を綴った記事は、ネット中どこを漁っても見当たらない。書籍も無い。噂に聞いた街の断片を、繋げてひとつの物語にしてみる。そして自分を、いや世界すらも騙して創り上げる。 「憧憬の道、造形の街」俺はこの1年間、自分を欺いてきたのだ。空から言葉が、思想が

箱根一人旅行記

【はじめに】 今から一か月前、訳あってひとり旅というものに出掛けることになった。理由はタイトルにもある通り、原稿合宿をしなければならない程、締め切りに追われていたからだ。しかし、この旅行というものが中々に壮絶で、波乱万丈な三日間だったのだ。箱根という未開の地で、俺が経験したことをなるだけ脚色なしでここに残しておきたい。ただまぁ、期待はできないだろう。きっと彩りに満ち満ちた旅行記を俺は書いてしまうのだろうから。 QUILL 【1日目】2024.3.11(mon)旅行の準備