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■恋なんて愚かな気の迷いで、夏のせいにすることでしかこの胸の痛みを言い訳できなくて、けれども実は自分の気持ちに嘘なんてつきたくなくて、俺はただお前が欲しかっただけなのに、あの衝撃的な告白のせいで裏切られた気持ちになったんだ 前略 お元気ですか。 俺はコロナウイルスにかかってしまって、最低な夏休みを過ごしていました。何もすることが無いから、家ではずっと昔のことに思いを馳せています。俺はふと、君と過ごした“あの一日”のことを思い出しました。あの一日をきっかけに、俺の心は一週間ほ
ピピピピッ、ピピピピッ——。 音が鳴る。 今日でこの音を聞くのは、何百回目だろうと頭の片隅で考える。そして、俺は何のために生きているのかとも考える。時計の針をいたずらに回すだけで、今日も一日が終わっていく。そして、解放された時に俺は息をつきながら思う。もういい加減、死んで楽になっても良いだろうと。 ちょうど一か月前の日記には、こんな文章が書いてあった。限界を迎える寸前だったのだろう。身体も心も疲弊していた。思えば、この瞬間が潮時だった。この日記を書いた夜、俺はバイト先の店