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All about quiet funk (#2)

雨が降るとバス釣りに行きたくなる。

何故なのかと問われると答えに窮するが、単純に、雨の日は釣れそうだからと思ってしまうのである。おそらくは若い頃に仕入れたモノの本からの影響だと思われるが、晴れた日よりは、曇りの日。曇りの日より、雨の日がバスの活性が上がる。というものである。

トップウォーターバス釣りの礎を築いた第一世代の御大が提唱した『独断と偏見』という口上で始まる語り口は、スタイリッシュで、ストイック且つスノッブであった。大人に憧れる10代の若者は一瞬でその虜になってしまった。

10代後半から20代前半に出合った文化や音楽は、その後の人生に大きな影響を与えるものだと常々感じることが多いのだけれど、バス釣りに関してもまさにその通りで・・

インターネットやSNSの無い時代の唯一の情報源である雑誌(別冊フィッシングやアングリング等々)で、トップウォーターバス釣りへの憧れと洗礼を受けたのは紛れもない事実である。

釣りについての文章を書くと、つい回顧録というか昔話になってしまう。

話を雨の日のバス釣りについてに戻すと、実際、釣れるのか?というと釣れる。と答える。雨の降りかたにもよるが、風の無い小雨なんて最高だと思う。釣り師なら定番の朝夕のまづめ時に近いのだ。

要は太陽の光量によるものが大きいと思われるが、気圧の低下も関係していると思う。台風の接近時や寒冷前線の抜ける前も大いに活性が上がる。活性が上がるのはバスに限らず魚類全般というか生物全体に及ぶらしい。人間もまた然りである。

雨の日に釣りに行きたくなる人の本質は、もしかしたら気圧のせいかもしれない。がしかし、濡れるのが嫌な人もいる訳で、そのあたりは個人の趣味嗜好ということだろうが・・

雨の日のバス釣りについて、最後にひとつ。プラグの色について。

90年代前半、毎回のバス釣りを詳細に記した釣り日誌を付けていた時期があった。天候はもとより、水温から水の色、釣れたバスのサイズとコンディション、釣れたプラグの種類とカラー等々を記していた。

3年から4年程、そのバス釣り日誌は続けたが、気になったのは天候とプラグの色であった。雨の日は明らかに黒が強かったのである。何故か2番目は蛍光色で、定番の腹が白や黄色のモノとは反応が違っていた。

当時、黒が釣れるという認識はあまり無かったのであるが、雨の日に強烈なストライクが多発して意識が変わった。その後、クワイエットファンクのプラグを販売する際にカラーコード#B(ブラック)を、デカトーイやオリフィーで定番化した理由でもある。

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