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All about quiet funk (#10)

開高健に学ぶ。

20代後半だろうか開高健を知ったのは。『オーパ!』や『フィッシュ・オン』などの釣りモノの写真本でその存在を知ったのが最初だと思う。

当時はTVのドキュメンタリーというか、釣り紀行のような番組にも開高さんは度々出演していて何度か観たのを覚えている。たしか提供はサントリーで、チャーマス北村さんとかも一緒に出ていたように思う。

そんな流れで、VHSビデオの『河は眠らない』を買い求め、擦り切れるほど何度も観た。

ベトナム戦記や諸々文学賞の小説には手を出さず、もっぱらエッセイや映像を拝聴していた。先輩に教えてもらった『知的な痴的な教養講座』と『ピカソはほんまに天才か 』が特にお気に入り。

先日、とある方と開高健の話題になり『河は眠らない』の話をしていて久しぶりに見たくなった。VHSビデオはあったがデッキが無いので観れない・・DVDも買っていたはずだと探した。

20年ぶりの『河は眠らない』は記憶にある開高健より、ずっと若かった。57で体調を崩し58歳で亡くなっているので、ビデオの開高さんはいまの僕より若いのだ。

冒頭のナースログの話、30代にやりたいことを始めなさいという話、コップの縁に口を付けたら最後の一滴まで飲み干しなさい・・等々。当時の僕の背中を押してくれた言葉の数々が、このビデオには詰まっていた。

まったく意識していなかったが、マッキーノクルーザーやビーンブーツなど服の好みも開高健に深く影響されているのに改めて気づかされた。

早口で甲高い独特な語り口。ウオッカやウイスキーをストレートでラッパ飲み。のべつタバコをふかし創作活動を休むと足元から腐っていくような気がしていたいう。まさに『悠々として急げ』を体現した人。

『やれる時にやりなさい。あとで後悔しなさんなや。』

ビデオの中の開高さんが、優しくも厳しい関西弁で語りかけてくる。











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