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VRChatにおける謎「Dahlia」調査記録〔④霊廟〕[Jacket+ ⋔⟒⋔⍜⍀⟟⏃⌰]

Hidden Dahlia」を後にした私が、次に降り立ったのは、特徴的なワールド名を持っている「Jacket+ ⋔⟒⋔⍜⍀⟟⏃⌰」

Hidden Dahlia」にあった黒い情報版と、このワールド名に使われている文字は同じだ。
ワールド名も、サムネ画像も、明らかにあやしい。ここに手掛かりが無いわけがない

何らかの情報が手に入ることを期待して、侵入を試みる。

「Jacket+ ⋔⟒⋔⍜⍀⟟⏃⌰」


一瞬、教会かとも思ったが、もっと原始的な何かを、あえて人工物で再現している様な、若しくは公共公園に時々ある謎施設といった趣の地上部の進入口。

壁には花たちのマーク、その内のひとつ、おそらく「jacket+」が持っているマークが天へと延びる光線に貫かれている。

これは感覚的なものだが、オブジェクトの配置、テクスチャ、色合い、そのさまざまな物から与えられる情報が、このワールドは、古く時間が経っている事を告げていた。

事象の始まりに近ければ近いほど、確信に近い「何か」を抱えている、というのが個人的な推理の基本原理だ。

建物に近づくと、やすやすと扉は見つかった。

くぐって中に入ると、目に飛び込んできたのは、カウンターと時計。そして例の文字

見回すと、お馴染みの黒情報板も幾つか設置されている。

更に右に進めばリンクポータル集のエリア。未知のワールドもそれなりに観測でき、それだけでも収穫だ、とひとまずは留飲を下げていると。


視界の端に、壁一面の花の意匠が禍々しく咲いていた。


何かを触れれば起動するかと、色々とさわってみるが、花たちは答えない。

その代わりに、エントランスとその先の区画にアバターの写真がいくつも飾られており、その一つが偶然インタラクト出来ることに気付いた。

一つに触れれば更にもう一つが選択可能になり、何度かの試行錯誤の後、画像にもある花の文様の壁が、選択可能になった。

・・・・・・・

眼前に立つ者を試すように見据える花紋たち。インタラクトすれば、確実に不可逆の何かが起こるという予感がある。

じっとりと汗ばむ手を抑え、トリガーを引く。


——衝撃が、体を貫いた。


何食わぬ顔で息をひそめていた謎たちが、一斉に色めきだって来訪者を招き入れようとする

輝く意匠の裏側に現れたのは、対照的な暗い大回廊。
非現実の彩度と明暗の直進を抜けると、虚空へと続く大階段へと導かれる。


遥か上空には、権威を保つ選ばれし五つの花たちがその末を見つめている。


大階段の足を踏み入れる前に、目をそらせない存在がいる。

——彼女だ。

Hotline Miami Sunset (Bus)」の運転席。またこの時はまだ知る由もなかった。様々なダリアワールドの写真に必ず登場する。ミス・ダリア。この時は「jacket+」その人だと思っていたが、かなりの後、それが少し異なっていたことを知る。

彼女に見送られながら、大階段を登りきる。

・・・・と、この先の出来事を、今お読みになっている皆さんにご提示できればよかったのですが、残念ながらその当時の私のPC能力では、演算ができないらしく、進行が不能となってしまいました。

代わりに、同じように探索を進めていた。「あのまろかりす VRC」さんの調査報告をこの場をお借りして、引用させていただきます。


悲しいかな先が知れないと判った私は、リスポーンの後、大階段入口のベンチに戻り、ミス・ダリアと一緒に腰掛け、虚空を見ながら思いあぐねていた。

そう、彼女のベンチの隣にはSit判定があり、隣り合って壮観な景色を眺めることができる。そしてとなりの黒板にはミラーのトグル.…

関係のない話題ですが、人は膨大な情報を頭に入れたのち、意識せず他の行動していると、脳がその情報の最適解を、その何気ない状態に演算するというお話が、あるとかないとか。

その時の私も、ちょうどその状態で、暗号文字をこねくり回した後だったからか、それとも誰でも気づくべきヒントとして用意された場所なのか、はたまた目的地の様子に肩透かしを食った状態であったからか…

その時、がやってきたのです。


?....…Sit?...…

?....…Mirror?...…

・・・・・・・・・・


まてまて…コレ、英語に対応してるぞ多分…





理性的快楽とはこの事か、脳内にドーパミンが一斉に沸き上がるのを感じる。

「読める.…読めるぞ..…」

今なら彼の気持ちがわかる気がする。

暗号が、単純な英語入れ替えなら、「S」の字を見つければその牙城を崩せると、むかし何らかの本で読んだ。「Sit」はsだ・・・・

そのような憶測と推察で一つづつ暗号文字を埋めていく、よくよく見れば、暗号に思われたその特殊文字たちも、どこかアルファベットの形を模すようにデザインされていた。

判明している文字を利用して、それまで見た暗号文字を整理する。


入口のこの文字は「Answr?」と書いてある。「e」がないが、「Answer?」と聞いているのだろうか。


決定的な組み合わせを見つけた。
上は、黒板のインフォメーション。下は暗号だ。
明らかに対応している。


すぐさま、「Hidden Dahlia」で撮影しておいた、黒板の暗号に照らし合わせる。




——楽しい。

楽しいが手作業で文字変換する作業は疲れる。

しかも、文字の入れ替えは出来ても、文字そのものが単語になっているものと、なっていないものがあり、ガタガタの歯抜け状態になっている感が否めない。

それに、ここまでの法則性は、過去にこの暗号についての記録があるのではないかと考え、調べようとしたが、そもそも検索しようにも、この記号をどうやって自分のPCから出力するのかがわからなかった。

Unicodeをしらみつぶしにするのも現実的ではない。

・・・・・・


あ、
——あった。

私は、VRC公式ページのワールドタイトルから、記号だけを取り出し、検索をかけた。


・・・・・


出てきたのは、考古学や暗号学の並びではなく、
驚いたことに「異星言語学」というカテゴリらしい、


つまり、ザックリ言えば、「宇宙人語」である。


いくつかの言語体系があるが、完全に対応する翻訳サイトを見つけた。

これを使い、暗号から英文へ、英文から翻訳し日本語へ、という解読が可能になったが、

結局、大部分が歯抜けのままの英語文章を読み解くことは、その時の私にはできなかった。


また、ここで一端手詰まりか・・・

それでも、暗号解読の糸口と、リンクポータルのいくつかを手に入れた私は、とりあえずは御の字だ、と立ち上がって虚空を見続ける彼女に別れを告げる


・・・・・・


「『キミ』はいったい誰なんだい?・・・何を見ているんだい?」



・・・・・・


リスポーンして、入り口の建物をもう一度見つめる。
最初に来た時には気付かなかったが、上空には大階段と同じ、花たちがこちらを見下ろしている。

いや・・・・見守っているのか。


そこで私は、ここが何のための場所であったのか

直感的に気が付いた。


——ああ、そうか。

ここは、⋔⟒⋔⍜⍀⟟⏃⌰だったのか・・・・


私は静かに胸に手を当て、



祈った。





- The investigation will continue. -




◇無言者の走り書き


・Jacket+ ⋔⟒⋔⍜⍀⟟⏃⌰

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