繰り返す

私はもうずっと、覚えてもいない頃から医者になりたかったんです。
誰かのために生きることができる医者が、医療従事者が、ずっと憧れだった。
だから、子供の戯言と言われようが軽くあしらわれようが自分の力が足りなかろうがずっとずっと夢を変えずに今まで15年以上も追っかけてきた。
その道中で、18歳の秋、私はその先に進めないことを悟った。悟って泣いた。泣いて泣いて全てを否定してそしてまた受け入れた。
医師になれなくても医療従事者にはなれるじゃないかって。
そうして別の道を進んだ果ての4年後の今。
自分の適性か、性格か、学力か、人格かそのいずれかもしくは全てが私を否定しにくる。
今までの15年を無に帰す勢いでさくりさくりと4年間で少しずつ、それでいて確実に私の夢を崩していった。
後に残ったのは、憧れだったものの残骸。
こんなもののどこに憧れていたのだろう。


今まで事あるごとに「もう全てがどうでもいい」だの、「生まれてこなければ良かった」だのと喚いてきたが、今回は本当の本当なので許して欲しい。誰だって生きてきた人生の半分以上が無駄だったと突きつけられたらそう思わないわけがないでしょう。

なにものこらなかった、全ては無意味で、憧れたものに掌を返されて、嫌悪するしか無くなって。
でもこんな悲しいことはないよ。愛したくて憧れで希望でそれだけが全てだった私の過去を全否定することになる。

自分は一体何度、過去の自分を裏切ったら気が済むんだろう。

誰かのために生きることのできる人になりたかった。
でももう、いいよ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?