いつか終わるその日まで

いつも、待ち合わせの時間にぴったりにくる彼は
今日も時間ぴったりに来た
私のあげた緑と紺のネクタイをしてゆったりと歩いてくる
彼は私の前に来るといかにもビジネスマンぽい挨拶を交わして、いつものように朝のマクドナルドへ
お互い白髪が似合うようになり、若いときのように部屋の中で熱を昇華するようなことはしないが、彼との時間が何よりも幸せである
毎回、小一時間ほどしてからお互い会社へ戻る
前回は別れ際に「私のネクタイをしてくれてありがとう」と微笑んでくれた
気づいていたんだなと嬉しくなったのを覚えている
今日は私が言おうかな
いつ、彼の口から「…では、そろそろ」終わりを告げる合図が出ないか恐ろしくなって、早口で喋ってしまう
あと少し、もう少しだけ


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