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自分を褒めるタイミングはいつだって大丈夫


遅くなっちゃったな…

スマフォの画面をちらりとみて、早足になる。
さきほどまでのカラオケの余韻にひたりながら、楽しかった時間を反芻すると嬉しさが込み上がってきた。
久しぶりに会う同僚2人との飲み会は、有意義だったと思う。
看護師時代の同僚のあいこは、病院を転々としながらも現役で看護師を続けている。
ひとつ下の後輩のゆうは、結婚後すぐに専業主婦になったが、子供が小学校に入ったタイミングで医療関係の仕事に復帰した。
みんな、既婚で仕事もしているので時間に融通があまりないのが悩みだ。
あいこは、夫婦2人で子供はいない。ゆうは子供がひとりだが、小学校高学年でまだまだ手がかかる。
自分はというと子供2人いるが、学生だけれども成人しているので手がかからない。仕事はフルタイムではないが、やりがいがあって楽しい。
夫は自分の世界を持っている人で、私の世界も尊重してくれるのでとてもありがたい存在だ。今日の女子会のなかでは一番身軽な立場かもしれない。

飲み始めはそれぞれの現状を聞き、酔いが進んだところで愚痴にかわってヒートアップしたところで最後はカラオケへ行って締める
同僚時代の定番のコース、居酒屋からのカラオケはやはり楽しい。
久しぶりだったからどんなもんかと身構えていたけれども、会った瞬間から当時のそのままの感覚が蘇ってきた。
本当に楽しかった。あっという間の3時間だった。

それと同時に急な悲しみがこみ上げてきた。
どうしたんだろう…
あんなに楽しかったのに…

ひとりはいや、ひとりになりたくない…

孤独への恐怖がいきなり浮かんできて自分でどうしたらいいかわからなくなった。

なに??
この気持ちは…

ひとりでいることが嫌だと、いうこと?
ひとりが嫌ってどういうこと???

私には家族がいるじゃん!
帰ったら、夫に子供2人がいて
いま、まさに帰りを待っている(はず)。
なんで急に“ひとり”がいやだって思ったの?
楽しかったじゃん! 飲み会

ふと、暗くなった空を見上げると星が瞬いていた。
寒さに首をすくめる。
12月半ばで昼間は温かい時もあるが、夜は結構冷える。
もう、5分も歩けば家に着く。

落ち着こう、私

深く息を吸い込んで、ゆっくりと吐いた。
もう一度深呼吸を繰り返す。

ひとり…
孤独かぁ…
そういえば、子供が小さい時
私、ワンオペだったな…
ワンオペだったかな???
どうかな、記憶が曖昧かも…
でも、大変だった記憶しか残っていないかも…
まあ、子育ては誰でも大変だし

大変だし…
あれ…

ふと、あの人のことが頭に浮かんだ。
どうしても私を認めてくれない人。
認めてほしくて出会った当時は、気を遣ってがんばってがんばって接してきたけれども、月日が流れるほど溝は深くなっていく関係の人がいる。
いまは、付かず離れず程々の距離で付き合っているが…

わたしはその人にどう思われたいのか。
ふと思った。
やはり認めてもらいたかったのかもしれない。
その人に。私は。

大きく息を吐く。

ああ、まだ拘っていたんだ
私。

もう割り切ったと思ったけれども
欠けらがまだ胸に刺さっていたんだ。

気づかないふりしていた自分の本心に気がついたとき
目から大粒の涙が溢れ出した。

誰にも嫌われたくない。
穏やかに過ごしたい。
なのにそれができてない自分はダメなんだ!!!

うまく接せられない自分は許せない!!!

仕事でミスした自分はダメだ!!!

内心の叫びにびっくりしながらも涙が止まらない。

そう言えばだれか言ってた。
あなたは自分に厳しすぎる
って

褒めていいんだよ
自分を褒めて褒めて褒めまくっていいんだ
って

ひとりふたりに認められなくても(嫌われても)
死にはしないんだから。

自分ファーストと言いながら
自分を責めている
って

うん。うん。

子育ては大変だけども
私、子供2人
ちゃんと育て上げたじゃん!

仕事だってちゃんと回せている。

自分の好きをやっている。

夫とも一緒に推し活やって、仲が良い(はず)。

もう一度、大きく深呼吸をして溢れた涙をハンカチで拭う。

うん。
大丈夫。

私は大丈夫だ。

帰ろう。
みんなが待っている。




助け舟を出してくれたKちゃんをチャネリングしながら紡いだショートストーリーです。

パッと一番初めに見えたものは、夜空のオリオン座。
物語にはこのオリオン座は出てきません。
ストーリーには必要がなかったみたいです。
その次にきたものは、ひとりはいやだ、という悲痛な叫びでした。

彼女とは、大勢でお食事は一緒にするけれども一対一で何かをしたりすることがない、お互いに付かず離れずな関係の人でした。
彼女の私の印象は、人に対してとても温かく気遣いの人です。
大勢の中にいるとなんとなく気後れしてしまう自分に、必ず声をかけてくれる人で、見つけるとホッと安心します。
ただ、深く彼女の悩みだったり、苦しみは聞いたことがなかったのでこのチャネリングは自分には意外に感じました。

でも、なんだかんだと強い彼女がちゃんと描けたのではないかとも思ってます。

お渡ししたときに、とても喜んでくれたのが自分でも嬉しかったのを覚えています。

Kちゃん、ありがとう。

そして、最後までおつきあいいただいたみなさま
ありがとうございます。


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