対価と人間関係

学校で食ったヨックモック(後) うめ〜

体育の日の後、A君にはコーラをいつもあげている。男子全員とは言わないものの、8割の人間がコーラを渡し、持ち帰りカバンに山のように詰まっている姿は、いつも壮観だ。

時には30本近くコーラが積まれる。
その中の1/3以上は自分であることが多い。
A君は、いつも申し訳なさそうにしていた。
こちらが始めたことで、殆ど迷惑であろうに
彼はお礼の言葉を口にしていた。


ある日、彼は菓子の箱を持ってきた。
何気ないながらも、普段より良い____
「ヨックモック」であった。
久しぶりに食べるシガール。心が踊った。


ハッキリ言って、今までのお礼としては
とても返すには色がつきすぎている。
彼は「お返しです」と言っていた。
ふと、菓子の値段を検索した。
およそ6000円と知り、天秤をさらに傾けた。
やってきたことと釣り合わない…!!!!


自分は、申し訳なくなった。
同じ甘さの中でも嫌がらせに近いコーラが、
愛が巻かれたシガールになったのだ。
その差を埋め合わせる方法は
自分は未だに思いついていない。

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