鉄欠乏性貧血について
女性なら一度は貧血症状に悩まされた経験があると思います。月のものに伴う立ちくらみやめまいといった月経前症候群(PMS)だけでなく、理由のはっきりしないイライラやだるさといった慢性的な症状を抱えながら生活している方も多いのではないでしょうか。
私は養護教諭時代、思春期女子の貧血症状を多くみました。スポーツ部に所属している子ほど顕著で、活動中に突然めまいを起こして身動きできなくなったりジョギング中に気分不良で倒れるなど様々でした。問診したり、眼瞼結膜を観察したら明らかに貧血の疑いがあるのに、受診を促してもほとんどの子は実行しませんでした。ようやく一人の生徒の保護者に連絡して受診を促したら、ヘモグロビン値が一桁の重症貧血だったということを聞かされて驚きました。重症貧血と聞くと普通に立って歩けるレベルではないと考えますが、女性はその状態に長期間慣らされているため耐性ができて貧血に気づきにくいのだと医者が話していたそうです。
その時に私が分子栄養学の知識を持っていれば、もっと効果的な指導ができたのではないかという反省からこうして栄養について発信することに繋がっています。
鉄不足の症状
・イライラしやすい、集中力低下、神経過敏、些細なことが気になる
・立ちくらみ、めまい、耳鳴り、偏頭痛
・節々の痛み(関節、筋肉)、腰痛
・喉の違和感(喉が詰まる)
・冷え性
・朝なかなか起きられない、疲れ
・出血(アザ)、コラーゲン劣化(肌、髪、爪、シミ)、ニキビ、肌荒れ
・不妊
・レストレスレッグス症候群(RLS:むずむず足症候群)
・やたらと氷をガリガリ食べる
鉄不足を知るには
貧血を示す指標としてはヘモグロビン値という認識が一般的です。
○一般的な基準値 男性:20〜220(ng/ml)
女性:10〜85(ng/ml)
ヘモグロビンは血液の中で活躍している鉄分ですが、藤川医師は体内に貯蔵されている鉄を反映させたフェリチンも調べる必要があると述べています。藤川医師の心療内科に来られる女性のうつやパニック障害は、鉄不足が原因の場合が多いことに気づいたそうです。ヘモグロビン値が基準値を満たしていても上記の症状が続いているならばフェリチン値を測定してみてはいかがでしょうか。ただし、フェリチン値測定可能な医療機関は限られているようですので、藤川医師のFBや書籍などでご確認ください。
鉄不足の対策
もちろん食事で補うことができればいいのですが、野菜やひじきに含まれる鉄は「非ヘム鉄」といって肉や魚に含まれる「ヘム鉄」に比べると吸収量が10分の1しかないそうです。1日に必要な鉄分をほうれん草で摂るとすると、バケツ4杯ぐらいになるとか。そこで藤川医師は「フェリチン値100未満は鉄欠乏性貧血」と診断し、鉄剤を処方するか患者自身で鉄サプリを購入して飲み、肉もしっかり食べるよう指導しているそうです。鉄のサプリメントは「キレート鉄」一択だと強調しています。キレート鉄サプリの安全性と実績について、こちらの動画を見て勉強してくださいとご自身のFBで紹介しています。
私は50代後半からメガビタミン療法を始めるようになり、鉄サプリも摂っていたので、約1年後の人間ドックでオプションでフェリチン値を測定してみました。フェリチン値の推移としては67から次の年は108に上昇していました。でも、保健指導の際にもう閉経しているのだから、今更フェリチンを測定する意味ないでしょと言われました。自分の健康状態を知るのに保健指導で不要だと言われるのもなあと思いながらも反論はできず、フェリチンが上がっているのを確認できたし体調も良好なのでそれ以降鉄サプリは辞めフェリチンも測定していません。
鉄欠乏性貧血について参考になれば幸いです。
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