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衝撃的な出会いと懺悔

野沢温泉村という地を初めて踏んだ

今から10年前くらいのこと。
この写真のすぐ近所で、住み込みをしながらお仕事を
させてもらっていました。

今ではこんなにどっぷりとハマってしまっている野沢ですが、
はじめは、いちスキーヤーとして
単なるスキーのトレーニング地として
ここにやってきたのでした。

ですから、言ってしまえば、
たまたま連れてこられた場所が野沢だったわけです。

「地名の通り温泉があって、どうやらいくつも存在しているらしい」
「あの信州で有名な野沢菜のところ」

(あと、ジェラートが美味しいらしい という、女子大生には響く先輩からの情報)

最初にあった野沢の知識なんて本当にこれくらいだったのですが、
恐らく、地元の方以外はみなさん、当初は同じような状態だったのではないでしょうか。

忘れもしない、初めての外湯体験

いざ来てみると、見たことのない景色ばかり。
衝撃的な外湯のシステム。
え、なに!?温泉って、こういう感じ!?

着いて一番に、ここが有名だからと先輩が連れて行ってくれた大湯での経験は、忘れもしません。
プールの更衣室を裸足で歩くこともできないくらい、子供の頃から潔癖症だった私は
大量に浮く湯の花を汚れと勘違いし、これはどうマインドコントロールをして入ろうかと必死に思考を巡らせたものです。
(汚れだとしたら恐ろしすぎるなと今になって思いますが、本当に衝撃だったんです。笑)

当時はまだスキーチームに入ったばかりで、猫をかぶりまくっていた頃。
新入りにとても優しくしてくれるけれど、まだ関係性ができているとは言えない距離感の先輩に、
これってなんですか?と聞ける勇気もなく、
これは大丈夫、合宿だから、合宿だから…
と心の中で唱え、バレないようにちまちまと湯の花を浴槽から捨てていました。

滑稽というか、無知は怖いというか…
なんというか、本当に、その節はすみませんでした。。
秩序を保つためにも、文化に興味を持ってもらうためにも、
自分で友達を連れてくる時には、ある程度の情報共有は予めしておくよう心がけています。

そういえば、熱くて中々入れない!という、初心者の一大イベントである
”野沢の洗礼”の記憶が私にはないんです。大湯なのに。
もしかしたら湯の花を避けることに必死で、熱さを感じる余裕がなかったのかもしれません。
嗚呼恥ずかし…

番(つがい)の木のオブシェ

事前知識がなくて更にびっくりしたのは、
歩けば数メートル間隔で現れる道祖神の存在でした。
こんなにも文化色が濃く表れている場所ってあるんでしょうか。

どこに行っても目が合ってしまうし、
夜になると照らされたりしてちょっと怖い…
人形?神様?もう誰か教えて…
完全に、世を知らないどこぞのお姫状態です。

まだ使い始めて間もないiPhoneを駆使して
(4Sとか5とか、世の中全体がスマホデビューし始めるかなくらいの時期でした)
暗くなった部屋で布団にくるまりながら、野沢の歴史・文化について自習し
あれは「道祖神」なのだとやっと把握できた静かな夜がありました。

神聖なる場所

さて、この写真。
道祖神社殿記念碑。

グリーンシーズンはこの通り青々としているのですが、
前の道は人通りも少なく、冬は雪で埋まって歩くのが結構大変です。
しかしその景色が ”私だけの世界”感があって、また最高にイイんです。
よかったら雪の積もった朝に歩いてみてください。

東京から履いてきたスニーカーに耐えきれず
金森スポーツでSORELのスノーブーツを買った日、
雪の積もったあの急坂をガシガシ歩いて白樺の道に出られた瞬間は
感動して目の前が明るくなりました。

シーズン真っ盛りの碑は、雪をかぶって照らされて、
中々のオーラを出しておりまして、
勤務先から寝床に帰る途中、なんかすみません…!という気持ちになり、
早足で通りすぎていたのですが
(無知故のご無礼をどうかお許しください…)
あの夜、道祖神の存在をはっきりと認識したのちは、
きちんと方角をチェック。
足を向けないよう、気をつけて寝ることとなりました。笑

そのおかげでしょうか。
これは道祖神のパワーかな?と思うような出来事が何度か…

そのお話はまた別の機会に。

現在の関係性

さて、
リトル村長①の、野沢との衝撃的な出会いのお話でした。

今では麻釜の湯でじゃばじゃばお湯をかぶって
元気にシャンプーさせていただいておりますし、
職場のデスクには、野沢からお持ち帰りした
やや大きめの道祖神がいらっしゃいます。

ちょっと右のモニターを見ると、目が合う距離感。
東京でも見守りよろしくお願いしますね。


友達を野沢に初めて連れてくる時、
何をどこまで伝えるか問題。

こいつはいけるぞ…ウシシ…
という場合には、敢えて何も情報を伝えずに
衝撃のご対面をしてもらうこともあります。

逆に、付き添いができず、友達のみで行っていただく際は
緊急の”事前のお打ち合わせ”を設け、
外湯について、入り方のマナー、道祖神とは、野沢とは…
と、手作りの地図と共に、いろはを入念にお伝えすることとしています。

最初にどの外湯に入ってもらうか問題も
野沢あるあるとしては大変好きなテーマであります。
是非議論しましょう。

みなさんはいかがですか?


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