若きオナニストの末路~タントラマンへの道(第32話)
病の恐怖
小学生時代に最も恐れていたものは「病気」であった。
でも、自分自身が病弱だったからではない。
それどころか、健康そのものだった。赤ん坊のころは「健康優良児」として表彰されたこともあったらしいし、小学校は欠席どころか遅刻も早引きもしたことが無いという完全皆勤賞だったくらいなのだ。
なので、恐れていたのは普通の病気ではなく、「奇病」とされるものだったのだ。
当時は高度経済成長期の負の面としての環境汚染が問題となっており、それが原因とされる公害病、例えば「水俣病」や「イタイイタイ病」等が恐ろしい映像を伴って連日のようにテレビや新聞で報道されていた。
普通の病気とは無縁の自分でも、公害病には勝てないのではないかという恐怖があった。
それなのに、生来の好奇心旺盛な気質も発揮されたのだろうか、怖いもの見たさで手に入れた「奇病」を集めた本を読んだりもしていたたのだが、挿絵が恐ろしすぎたのでマジックで塗りつぶしたりもしていた。
そんな感じで、小学5年生くらからは、病気に対する恐怖と関心が同時に一段と増していたのである。
身体に異変発生!
そのように、病気に対する恐怖が顕著になっていた時期に自らの身体にも異変が起きてしまい、恐怖のどん底に落ちることになってしまった。
それは、おそらく5年生のある日、
いつものように秘儀を執り行っていた時のことであった。
秘儀は順調に進んでおり、最終段階に差し掛かっていた。
ご神体はいつものようにこれ以上は不可能なくらい大きく硬くなっていて、
これまたいつものように「ジィ~~~ン!」とくすぐったいような痺れるような快感が急速に増大し、もうこれ以上我慢出来なくなった次の瞬間、
これまたいつものように「ビクンッ! ビクンッ!」が始まったのだが、
この後がいつもと違っていたのだ。
なんと、ご神体の先端から鼻水のようにドロドロとした透明な液体が飛び出してきたではないか!
咄嗟に、「これは、ちんぽを触り過ぎたせいで病気になってしまったのではないか?」という恐怖に襲われた。
でも、秘儀のことは親も含めて誰にもしゃべっていない秘密だったので、親にこの症状のことを相談することも出来なかった。
身体の異変は他にも発症していた。
乳首の辺りにコリコリとしたしこりが出来ていて、触ると痛むのだ。
ご神体の異変は快感を伴っており痛みとは無縁だったのでまだマシだったのだが、乳首の方は本当に病気なのではないかと不安になって夜も眠れなくなってしまったのである。
(つづく)
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