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「無意識」と「センス」

 自分を意識してコントロールしている割合と無意識に色々選択、行動している割合は案外後者の方が多い。理性で自分を制御できる時間は短い。人間の集中力が45分しか持たない、という説があるのも無関係ではないと思う。

 楽しい、と感じるのは本能。つまり無意識だ。ゲームに夢中になって気づいたら3時間経っていた、という時に集中45分限界説は適用できない。もちろん苦痛に感じるのも同様。集中できるにはできるけど、着手するには大分理性を使わないといけない。

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 自分がテニスコーチをやっていた時のとある研修で「センスが良い・悪い」の話になった。講師の定義はこうだった。「センスが良い人は目で得る情報が多く、それを再現できる身体能力がある。」 見てすぐ真似できる、これが「センスが良い」という。

 僕は納得すると同時に複雑な気持ちになった。その2つの要素は両方、幼少期に大きく成長するもの。コーチとしても長期的に考えて目と身体操作のトレーニングをしたいが、それはテニスというスポーツからは少し離れた練習になる。しかも目で得られる情報が増えても、身体操作が上手くなっても、自覚がとても難しい。

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 歯を食いしばって頑張っていれば、結果は必ずついてくる。なんて僕は言えない。でも同時にそう感じて、そう考えている人がいることも理解できる。歯を食いしばる事、頑張る事、結果が出るまで継続する事。無意識下でその人が苦痛に感じているのか、楽しんでいるのか。本人ももしかしたら分かっていないかもしれない。

 自分ができない事はすぐ分かるが、無意識下でやっていること、できていることを自覚するのは難しい。自分の行動はコントロールできないものも多いし、どう感じていたかを忘れてしまうことも多い。自分の無意識に意識を向ける時間があるか、無いかの差は少しずつ大きくなる。

【Photo from Unsplash(@craftedbygc)(@bholoo)】

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