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エネチェンジの寄り付き株価を予想する
こんにちは。MAKOです。
6/21にエネチェンジが外部調査委員会報告書を受領したとの発表があり、これでようやく6/28期限の有価証券報告書が提出できると思ったら、なんと管理銘柄(確認中)に指定されるという悪夢のようなIRが発表されました。
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これを受けて6/28のエネチェンジ株価はストップ安となりました。
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現在の株価は422円で時価総額は147億円です。ネットでは「月曜日は寄らない」がコンセンサスになっているようですが、今回、実際のエネチェンジ価値を元にした独自の寄り付き価格を予想したいと思います。
EV充電事業の価値
以下はSPCを連結しない場合のEV充電事業の売上とセグメント利益ですが、今年度からSPCを連結するため、売上は1億円未満、セグメント利益▲20億円程度という悲惨な結果になることが予想されます。
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今回の震源地でもありますのでEV充電事業の価値はゼロ円とします。
※EV充電インフラ整備は国の方針でもありますので赤字でもマイナス評価は行いませんでした。
プラットフォーム事業の価値
続いてプラットフォーム事業ですが、売上高33.1億円、セグメント利益4.2億円となっています。
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あくまでもセグメント利益のため、純利益としてはこの半分くらいの2.1億円とした場合、42億円程度の価値があると思われます(PER20倍で計算)。
※プラットフォーム事業は国内トップシェアであり参入障壁も高いため、控えめに言ってもこれくらいの価値はあると考えます。
データ事業の価値
続いてデータ事業ですが、売上高9.9億円、セグメント利益1.5億円となっています。
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こちらも純利益はこの半分の0.7億円程度とした場合、14億円の価値がある計算となります(PER20倍で計算)。
※データ事業も国内大手電力会社が採用するエネチェンジクラウドを有するなど、手堅いビジネスモデルを有しているため、控えめでもこれくらいの価値はあると考えます。
エネチェンジの純資産
今年2月にエネチェンジはJICから39億円の資金調達をしており、現預金は53億円あります。
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※今回の騒動でJICから資金返還を請求される可能性はゼロではありませんが、国のファンドが自らの判断ミスを認めるような面倒なことはしないと考えて価値として算出しました。
以上の価値を合計することでエネチェンジの価値を算出することとします。
寄り付き株価は313円以上
EV充電事業:0円
プラットフォーム事業:42億円
データ事業:14億円
現預金:53億円
これらを合計すると109億円という結果になりました。つまり、この価格を下回ると株式解散価値を下回ることとなり、いつ買収されてもおかしくないということです。
時価総額109億円というのは株価313円ですので、月曜日は342円(▲80円)で寄り付かなかったとしても火曜日には寄り付くはずです。
最終的に株価を決めるのは需給
とはいえこれは机上の計算であり、狼狽売りなども考慮するとどこまで下がるかは流石に読めません。
しかし株式市場は「同じ材料は2度織り込まない」とも言います。2月末からの下落で上場廃止という最悪のケースは一度織り込まれていると思いますので、今回の管理銘柄(確認中)が更なる大幅下落になるほどの材料かというと、ちょっと疑問ではあります。
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3月に有価証券報告書が出せないとなった時点で、ほぼ全ての機関投資家は抜けて売り枯れ状態と思われますので、そこからさらにスルスル下落するイメージは正直ありません。
外部調査委員会報告書でも一応「不正は認められなかった」という結論ですし、管理銘柄と審査中ではなく確認中です。
「管理銘柄入り」という悪材料と「不正なし」という好材料が共存する中で、一旦狼狽売りが終われば「不正無しならあずさははんこ押さざるを得ないよね」となり、反発する可能性は高いと思います。
城口CEOの増し担保問題
こちらも4月に一度起きたことであり、2度目があったとして材料になるかというとちょっと疑問ではあります。
※そもそもSPCを連結するなら城口CEOが増し担保までして融資する必要は無いので、すでに手を打っている可能性もあります。
最後に
私も外部調査委員会の報告書を読みましたが「思っていたより悪かった」というのが率直な意見です。EV充電事業は2050年のカーボンニュートラルを実現するためにも重要な事業であり、国内において同事業のSPC設立事例が無かったことも考慮された上で「不正無し」という判断だったのだと私は思いました。
今回の件は成長を追い求めて株価に振り回された結果だと思いますので、今回上場廃止を免れることが出来たなら、ラストチャンスだと思ってスキームなどに頼らず、正攻法で事業に取り組んで頂きたいです。
本日は以上です。
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