Note 108: 地上波テレビをやめてアベマTVを見よう

テレビ離れが言われて久しい。
ぼくも、実際に見ない。
いちおう、トレンドについていこうと思ってたまに見たりしてみるのだが、アーコリャダメだと思って消してしまう。
ギャグはゲスいし、情報はヌルい。
あれは、昼間クタクタになるまで労働している人が、脳の機能を最低限に落として見るものじゃないだろうか。
いや、長い間見るのをやめているうちに、こちらに耐性がなくなったのかもしれない。

ぼくはアイドル好き、お笑い好きで、とうぜん地上波テレビも大好きだと思いこんでいて、めちゃくちゃチェックしていた。
でも、ある日、「AKBINGO」が終わって、「アメトーーク」を見るのをやめたあたりで、バババッと見るのをやめてしまった。
いまちゃんと見ているのは「タモリ倶楽部」「ゴッドタン」「にゅーくりぃむ」「ももクロちゃんと」「サイエンスZERO」あとは日曜深夜の坂道3番組ぐらいだ。
けっこう見てるなー。
でも「タモリ倶楽部」(これはほぼ絶対面白い)いがいはヌルい回やゲスい回は飛ばすので、半分ぐらいしか見ていない。

「にゅーくりぃむ」と「ももクロちゃんと」が結構ひどくて、予算削減で20分番組である。
「完全版は(有料の)テレ朝チャンネルで見てください」とか言っている。
ひどくないですか。
これで一気に心が離れた。

まあ、日本の地上波テレビは、これまでが異常に頑張っていて、そろそろ無料で内容のあるコンテンツを流すのは無理がある、ということになったんじゃないだろうか。

で、代わりに何を見ているか、というとYouTubeである。
主に携帯情報、パソコン情報を見ていたのだが、最近は将棋系、麻雀系を見ている。

Quoraなんかで「芸能人がYouTubeに乗り出して来たから、素人のYouTuberはオシマイだ」と言っている人がいるが、まったく分かってないと思う。
芸能人が、YouTubeに乗り出してきて、さいきんのマイブームとか、質問に答えるコーナーとかやってるけど、見事に面白くない。
別に芸能人なんかに、我々は興味持ってなかったのである。
テレビに出ている人はわけのわからない魅力があるという、幻想でコンテンツが持ったのは昭和まで。
いまはそのへんの奥さんが「タンドリーチキンを時短で作る裏技」を携帯一本で作った動画の方が全然面白いのである。

将棋のプロ、麻雀のプロのYouTubeはさすがに面白い。
芸能人でも、芸人がストイックにネタをやっているYouTubeは本当に面白い。
今は「蛙亭」にハマっている。
「蛙亭」は面白いからおすすめ。
あとナイツ塙さんが素人が送ってきた漫才台本を添削するのも面白い。

最近はYouTubeの他にAbema TVも見ている。
プロ麻雀Mリーグをキッカケでプレミアム会員になったのだが、藤井聡太フィーバーをキッカケに将棋に手を出し始めた。(ザ・ミーハー!)
最初はルールも分からずにぼうっと将棋棋士を見る「観る将」だったのだが、さすがにそれは無理があって、Nintendo Switchと「棋士・藤井聡太の将棋トレーニング」を購入して将棋の指し方を覚えたら、俄然面白くなった。

それでも、名人戦とか竜王戦をリアルタイムで観るのは無理がある。
一手に1時間とか平気で掛けるので、その間、解説と聞き手の先生がお便りコーナーをしたりしてつなぐのだが、環境ビデオとしては優秀だが、じっと見ているヒマはない。
そこで、天才的な発想があって、羽生先生が提唱したそうだが、フィッシャールールというのを採用した超・早指し戦の「Abemaトーナメント」と言うのをやっている。
これが面白い!
将棋は頭脳の格闘技と言っている人がいたが、本当に頭脳で殴り合っている感じである。
先日は、三浦弘行九段に対して、藤井聡太二冠が桂馬の3段飛びというのを見せて、めちゃめちゃ興奮した。
同じ藤井聡太チームで、同じ最年少の伊藤匠さんが、駒が最終形に初形になる(香桂銀金玉金銀桂香)という一戦を見せたのも興奮したなー。
スゲエな、最年少!!!

ということで、だいたい家でテレビを観るときは、Abemaで将棋か麻雀を見ている。
他にも釣りや格闘技もやっているので、そういうのが好きな人はずーっとそれを見ていられると思う。

思えば、地上波のテレビって、なんでこんなのわざわざ見せるのっていう番組が多い。
ぼくが嫌いなテレビは、アメトーークの「運動神経悪い芸人」というのだ。
あれどこが面白いの。
「運動神経いいアスリート」なら見てみたい。
「お笑いが面白い芸人」なら見てみたい。
好きで得意なことで勝負するのが人間だ。
プロだ。
プロが好きで得意なことを、楽しそうに、ギリギリの勝負をしているのが面白いのだ。

それを、プロでメシ食っている人に、わざわざ苦手なことをさせて、失敗するところをみんなで笑いものにする。
イジメだなんだと言う前に、それ、どこがどう面白いのか。
全然分からない。
かりに将棋が分からない人が将棋指してるの見てて面白いですか。
ありえないだろう。
将棋が得意な人が将棋をする、麻雀が得意な人が麻雀をする方が、全然おもしろいのである。
芸人はプロの笑いをやっているのが全然おもしろい。
当たり前の話だ。

最近は女芸人の人が、趣味の手芸(プロ級)を披露したら「なんだそれ」「500円なら買ってもいい」などと笑いものにする企画で、傷ついた、ということがネットニュースになっていた。
ひどい話だ。

芸人は笑いものにされるのが商売だ、という考え方もあるが(ぼくはその考え方にくみしないが)素人でも「お父さんが趣味で集めたガンダムのプラモデルをお父さんに黙って(「ドッキリ」で)中古屋に売りにいって、そのお金で家族で焼き肉に行く」などというテレビもあった。
お父さんがかわいそうとか、趣味に対する冒涜だとか言う前に、それ、どこがどう面白いの?
人がイヤなことをされて悲しんでいるところをみんなで笑いものにするのなんか、イジメだなんだっていう以前に、単純に面白くないだろう。
そんなのを面白がっている人って、昭和にはいたかもしれないけど、もう、今はいないんじゃないだろうか。
とりあえずぼくの知り合いには1人もいない。

地上波が、そんな、誰も見ていない番組をやっているから、YouTubeが出てきて、Abema TVが出てきた。
これからは、好きで得意なことを楽しんでしている人を見て一緒に楽しむ、達人技を見て感動する、そういう時代だ。
それが文化のあるべき姿であって、正常な進化だと思う。

ということで、YouTubeやAbema TVを見るのが超楽しい。
地上波には戻れない。
ぼくはPCかiPadで見ているけど、Fire TV Stickとか使えば大画面テレビで見られる。

(この項終わり)

会社員兼業ライターの深沢千尋です。いろいろ綴っていきますのでよろしくです。FaceBook、Twitterもやってますのでからんでください。 https://www.amazon.co.jp/l/B005CI82FA