見出し画像

Note 91: 健康保険限度額認定申請書を作ろう!

病気になって重症だと、お金が掛かる。
特に緊急入院して、検査だ、手術だとなると、際限なくお金が掛かる。
医者は大体、こっちの命のことしか考えてないので「これぐらい費用が掛かるけど、いいですか」と聞いてこない。
まあ中年のサラリーマンだから払えると思ってるのだろうか。
検査に10万とか、手術に20万とか。

で、上の場合、そのまま合わせて30万円払わないといけないかというと、そうではない。
日本が誇る健康保険制度には、高額医療費制度というのがあって、年収に応じて、例えばマックス10万円とか、月々支払う上限額が決まっている。
30万円が10万円になるんだから、大きい。
ただし差額ベッド代とか、自由診療に関する部分はカバーされない。
上限額や支払われる条件は、各自調べてください。
ここでは検査10万円、手術10万円、限度額10万円という条件で進む。

この限度額10万円というのが、月に10万円なのだ。
もしある年の6月30日に緊急入院して、検査に10万円掛かったとしよう。
その結果、手術が必要と分かり、7月1日に30万円掛かった。
この場合、6月に10万円、7月に10万円払うことになる。
最低10万円で済んだものが、20万円に跳ね上がるから、大きい。

だから、すべての治療をなるべく1ヶ月に収めたほうが、割がいい。
上の場合、6月30日にお腹が痛くなっても、7月1日まで頑張って入院すれば、10万円で済んだ可能性が高い。
そんなこと言って頑張っていて、気を失ってしまって、そのまま入院できずに死んでしまう可能性があるから、無理せずに病院に行った方がいい。
生きていればお金を稼げるからだ。

緊急入院すると、病室にクラークさんという人がやってきて、高額医療費制度について教えてくれる。
それはいいんだけど、申請書を貰いに行くのに、市役所や区役所に行かないといけないのだ。
でっかい病院なら、病院に申請センターがあればいいと思う。
思うけど、そうはなっていない。

もし、身寄りのない人で、入院で体が動かせない場合は、役所に行けないので、申請が出来ない。
この場合、退院時にそのまま30万円払うしかない。
その後、役所に行って申請し、20万円返してもらう。
これにも時間がかかる。

30万円払うときも、現金払いを求められる場合と、クレジットカードが使える場合がある。
でっかい立派な病院がカード非対応だったりしてビックリだ。
健康とお金に不安がある人は、ある程度カード払いが効く病院を調べておいた方がいい。
病院はカードぐらい使えるようにしてください。

もし、身寄り(家族や友人)がいる場合は、紙片に委任状というのを書いて、それをその人に託して、代理申請ということをやってもらう。
じっさい、緊急入院すると「ご家族の方はいらっしゃいますか」「ご家族に頼めませんか」とめっちゃくちゃ聞かれる。
しょうがないかもしれないけど、家族にも事情はあるんだよ。
病人本人はともかく、なぜ身内まで強制労働させられるのか、この病院の「命さえ助かりゃいいんでしょ主義」は改善の余地がある。

しかし、ふだんから病気がちの人は、ここにさらにいい制度がある。
健康保険限度額適用認定証というのをあらかじめ持っておけばいい。

画像1

これは、サブの保険証みたいなもので、ぼくが加入している協会けんぽの場合はクレジットカードを2枚縦に重ねた大きさの厚紙である。
昔の紙の保険証を1ページ切り取ったみたいな形をしている。

これを、特に病気でないときでもあらかじめ作って、持っておく。
で、入院時にこれを保険証と一緒に提出すると、なんと申請書なしでそのまま高額医療費制度が適用されるのだ。
これは持っておくしかないですよ。

他にも意外な利点があって、保険者(国民健康保険の場合は国、協会けんぽの場合は全国保険協会)が印刷してくれた記号、番号、氏名、生年月日、性別が載っているので、保険証のバックアップとして使えるのである。

無論ふだん病院を使う場合は本チャンの保険証を使うけど、保険証というのは、たまになくす。
その時、これがあれば、すぐに保険証の情報が分かるので、助けになる。

保険証と、限度額適用認定証、どちらも緊急入院したときに病院に見せるものだから、どちらも肌身離さず持っていたいけど、肌身離さずもつ上でも微妙に別なものに入れておくといいかもしれない。
保険証は財布で、限度額適用認定証はスマホカバーとか。

申請の方法は、ぼくの場合(住民税を払っていて、70歳未満の場合)健康保険限度額認定申請書というのを地域の協会けんぽの事務所に送ればいい。
ぼくの条件の場合は、申請書1枚だけだ。

PDFをダウンロードして被保険証の記号番号、生年月日、氏名、住所、電話番号を埋める。
字が汚い場合はパソコンでフィルすればいいだろう。
Acrobat Readerで埋められる。

マイナンバーは、たとえ持っていても、書いてしまうとかえって面倒なことになる。
マイナンバーが真正であることを証明する本人確認書類が必要になるのだ。
なんでやねんっ!?
だから、書かない。

で、PDFを埋めたら印刷する。
今ぼくはプリンターを持ってないので、PrintSmashという装置を使ってローソンで印刷している。
自分宛てにPDFを添付したメールを送り、そのメールのPDFをiPhoneで開く。
で、PrintSmashに登録して、コンビニの「マルチコピー機」の指示に従うと印刷できる。
氏名以外の情報をパソコンでフィルした場合は、氏名だけは自著する必要がある。
氏名を自著したら、押印を省略できる。

で、このPDFを保険者に送る。
保険者所在地、保険者名称というのも保険証に書いている。

ということで手順としては
(1)PDFをダウンロードする
(2)必要な情報を保険証を見ながらフィルする
(3)PDFを自分にメールする
(4)封筒に送り先(保険者所在地、名称)を書いておく
(5)封筒、iPhone、お金、ボールペンを持ってコンビニに行く
(6)PDFを印刷する
(7)PDFに署名する
(8)封筒に入れて封緘する
(9)切手をコンビニで買って投函する
みたいな。

タダだし、体の弱い人はおすすめだ!

ちなみに、協会けんぽはPDFをスキャンしてOCR(光学文字認識)するので、印刷が劣化しないようにプリントをそのまま提出し、コピーはしないでくれとか書いている。
ホホーなかなかハイテクだなーと思っているが、その割に「電子申請は受け付けておりません」とか書いている。
なんでやねんっ!

(この項おわり)

会社員兼業ライターの深沢千尋です。いろいろ綴っていきますのでよろしくです。FaceBook、Twitterもやってますのでからんでください。 https://www.amazon.co.jp/l/B005CI82FA