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Note 95: 【情報が】小劇場の見に行き方【少ない】

昨日、2020年12月12日も、ザムザ阿佐谷に月蝕歌劇団を見てきた。
楽しかった。

とはいえ、劇評を2日連続で書くほどの情報がないので、ここでは、小劇場演劇にあまり行かない人向けに、ぼくなりの楽しみ方を適当に書きたい。
相当しょうもない内容だから暇で暇でしょうがない人だけ読んでください。
警告したからな!

同じ芝居を何回も、なぜ見るのだろうか。

第一の理由は、頭が悪くて1回で分からないからである。

小劇場演劇や、アングラは、難しい。
何回見ても分からないこともあるが、何回か見たら分かることもある。

たとえば、月蝕歌劇団や、他の寺山修司系の劇団の場合、キツネのお面を付けた少女が毬を撞いていることがある。
あれは何だろう、どういう意味があるだろう、と最初は思う。
でも、何回か見ているうちに「これは本筋に関係ないから無視していい」と分かる。
最初は分かんないよ。

あと、他の芝居の名場面や名セリフが引用されていることがある。
ヒップホップなどのクラビーな音楽におけるサンプリング、ブレイクビーツのようなものだ。
これも、厳密にスッキリするには、どこが本筋でどこが引用なのか、同じ芝居を何回か見たり、同系の芝居を複数見たりする必要がある。
面倒だが、楽しい。

第二の理由は、視点や角度を変えて見たいからである。

最初の1回は、筋を理解するために、セリフを喋っている人の顔を見る必要がある。
しかし、2回目以降は、セリフを喋っていない人のウケの演技を見るのが楽しい。

今回も配信があるけど、芝居は配信やDVDでも見ることができる。
映像化を見ると、役者がドアップで見られるし、一時停止したり、場面を戻して見られるので便利だ。
しかし、現在の技術では出来ないことがあって、ある役者がアップになっている場合は、なっていない人の顔が見られないのである。

重要なことや、ショックなことを言う人の顔も見たい。
でも、重要なことや、ショックなことを初めて言われた方の顔も見たい。
「陰陽師」ではは善悪対立する2大勢力が出てくる話なので、特にセリフを喋ってない側の勢力のウケの演技を見るのが楽しかった。

ご贔屓の女優さん、俳優さんがいる場合は、ずーっとその人をロックオンして見るのも楽しい。
いぜん、SKE48の人がAKB総選挙で「いつも端っこで踊っている私を、瞳の中のセンターにしてくれるファンのみなさん」と言う美しいセリフを言っていて感動したが、芝居はどの役の人も、みんなそれぞれの人生を演じていて、どの人にどう注目するかが観客の自由に任されている。
これが映画やテレビと全然違う。
(昔モーニング娘。のライブDVDで「推しカメラ」というのがあってなるほどと思った。VRやLIDERスキャナー技術の進歩でどの舞台でもそのうち可能になるのだろうか)

あと、最初は中央の座席で、2回目は右端で、3回目は左端で見ると、時間的な3D現象が起きて脳内で補完され、理解が進む。
そこまでしないと理解できないのかよ! という気もするが、いろいろ発見があって面白いのである。

第三の理由は、演出や演技の変更を見るのが楽しい。
今回は石津ゆりさんが悪の勢力にいったん屈服したときのセリフの言い方が変わっていて、なるほど、いいな!と思った。
(勘違いだったらスミマセン)

第四の理由は、ハプニングや事故とそのリカバリーを見るのが楽しい。
制作側にしたら迷惑な客だが、どうしようもなく楽しい。
以上、当たり前のことばかり書いたが、何回も現場に行くには、これだけの楽しみがある。

さて、どんどんしょうもなくなっていくので時間がない方は読むのを自由に中止してください。

小劇場演劇は指定席ではないことが多く、早いもの勝ちの自由席の場合は前もって並ぶ必要がある。
どれぐらい早く並んだ方がいいのかは、混み具合で異なり、予測が難しい。
体力に自信がある場合はメイチで早く行けばいいのだが、寒さで死んでしまっては元も子もないから注意が必要だ。
無理しないでください。
ぼくはもう死にかけの高齢者なので、番号付きのスペシャルチケットを買っている。
優先的に並べるが、割高で、金で解決する方式だ。

それでも開場時には並んでいないと、並んでた人がドンドン入っていく。
日によって開場時刻が違うことが多いので、注意が必要だ。

裏技としては、遅れても日本人はシャイなのか(外国がどうか知らないけど)最前の端っこや、場合によってはド真ん中がポツンと空いていることがある。
その場合は勇を鼓して潜り込めば最前で見られる。

現場への交通機関も事前に確認しておいた方がいい。
今回は阿佐ヶ谷で、ここは平日は中央線快速が止まるけど、土日は総武線各停だけというトリッキーな駅だ。
これにハマると荻窪や、さいあく三鷹まで連れて行かれるので注意したい。

ぼくは南武線の武蔵中原という首都圏と呼ぶには超・微妙なところに住んでいて、乗換案内でサジェストされるルートが時々刻々と変化する。

よく「登戸経由小田急行き」をサジェストされることがあるが、小田急線は超・難しい。
準急、準特急、通勤準急、快速準急などが入り乱れて走っていて、どれに乗ったら目的地に付くのか、どれに乗ったら速いのかまったく分からない。
絶対に理解できないので忌避している。
阿佐ヶ谷と同じぐらい演劇が多い下北沢に行くときは、小田急を使わないといけないのが気が重い。
その場合は思いっきり早めに家を出て各停に乗っている。

無難なのは武蔵小杉新駅で湘南新宿ラインを使って新宿から中央線に乗るルートだが、速い電車だけに人気があって混むし、武蔵小杉の旧駅と新駅は恵比寿の山手線と埼京線なみに歩かされるので、あまり好きではない。

東横線で渋谷、山手線で新宿というのは、東横線渋谷の駅が地下化してから、歩くと死ぬので使わなくなった。

東横線から副都心線直通で、新宿三丁目から新宿まで歩けと言われることもある。
これが一番ラクな気がするが、新宿の乗り換えがやはり辛い。

今回、少し家を出るのが遅れたので、改めて乗換案内を検索すると、副都心線新宿三丁目、丸の内線で南阿佐ヶ谷、そこから800m歩くというルートをサジェストされた。
南阿佐ヶ谷といえば「ひつじ座」というリハーサルスタジオみたいな劇場みたいな場所があるが、あそこからザムザまで歩けるんだろうか。
歩いてみた。

Googleマップにドンドン裏道に連れて行かれて怖かったが、見事に開場前に到達した。
良かった。

中央線と言えば人身事故だが(イヤな「と言えば」だなあ。。)阿佐ヶ谷や高円寺で電車に乗れなくなった場合はちょっと歩くと丸の内線に乗れるので活用すると良い。

帰りは新宿で埼京線に乗るが、これが超・トリッキーでどのホームから発車するのか絶対に理解出来ない。
以上、武蔵小杉近辺に住んでる人にしか分からない事情を長々と述べたが、初めて行く町にタイトなスケジュールで行く場合は、ルートだけでなく乗り換えホームもチェックした方が良い。

あと、くれぐれもトイレには前もって行っておいたほうがいい。
南阿佐ヶ谷のホームの多目的トイレはキレイで良かった。
阿佐ヶ谷だと西友のトイレをたまに使う。
まあ、ザムザだとトイレは完備されているが、開演前は混む場合もある。

ということで、いろいろ注意点はあるが(大した注意点じゃねえな!)小劇場演劇を見に行くのは楽しい。安上がりの娯楽だから、ぼくと同じヒキニートの人は無理のない範囲内で行くといいだろう。
とりあえず15にち水曜日もザムザに行く。
劇場でぼくと握手!

(この項終わり)

会社員兼業ライターの深沢千尋です。いろいろ綴っていきますのでよろしくです。FaceBook、Twitterもやってますのでからんでください。 https://www.amazon.co.jp/l/B005CI82FA