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Note 99: ノンオイルヒーター最高

日本は冬寒く、夏暑い。
ぼくは神奈川県川崎市に住んでいるが、首都圏の夏冬は世界でも最も人間に厳しいのではないか。
夏は冷房、冬は暖房が必須であり、少なくともぼくは、なしでは仕事どころか、生存もままならない気がする。

燃料式じゃなくて電気式

夏はエアコン一択として、暖房器具はいろいろある。
基本、石油ストーブやガスストーブ、石油ファンヒーターやガスファンヒーターのような、燃料を燃やす系が強力で、効率がいい気がする。
しかしぼくはこれがダメだ。
石油が特にダメで、点火した瞬間に目がピリピリし、激しい頭痛と車酔いのような症状に襲われる。
言うところの化学物質過敏症だろうか。
(そういう病気は存在しない、という記事もあったが)
ガスも、燃やしていると耐え難い頭痛がする。
酸素を奪われるからだろう。
このへんが成人病のデパートのようなポンコツ人体のつらみである。

そうなると電気式だ。
これは非効率この上ない。
原発にしても、火力にしても、まずお湯を沸かして蒸気タービンを回す。
この時点で熱から電気への変換が起こり、半分ぐらいの熱が捨てられる。
日本の原発が海辺にあるのは、海に熱を捨てる方式だからだそうだ。
で、そこから各変電所に送電される。
この時点でだいぶ電気が失われる。
失われた電気エネルギーは熱になり、電線の周囲を若干温める。
で、変電所から各家庭に向かう時点でも失われる。
日本の電灯線は100ボルトと低いので、この時点でも効率が悪い。
で、各家庭にせっかく電気の形で来たものをまた熱に変える。
何重にも非効率であり、反・省エネだ。
でも、寒くて風邪を引いたり、死んだりしたら困るので、背に腹は変えられないので環境に負荷を掛けている。
ゴメンネ。

エアコンもイマイチ

ボロアパートだが一応エアコンはついていて、暖房機能もある。
だが、これもぼくはダメだ。

まず、空気が乾燥する。
そうでなくても太平洋側は冬は乾燥するのでヴィックスの沸騰水型加湿器で加湿しているのだが、エアコンだとそれでも乾燥する。
正確かどうか分からないが、パソコン机に据えたデジタル時計についている湿度計が30%を下回るとヤバイ気がする。

次に、音がうるさい。
夏も同じ音を出しているはずだが、あまり気にならず、冬はなぜかすごく気になる。
上下に挙げるような、いろいろな不満が累積して、坊主憎けりゃで不快に感じるということだろうか。

次に、上の方があたたまる。
頭寒足熱と言って、人体は上の方は冷やして下の方を温めたほうが快適だと言われている。
が、エアコンはどうしようもなく上を温める。
扇風機とかエアー・サーキュレーターを使えって言うんだけど、何回かやってみたけどどうしてもコツが分からない。
いらいらして、やめてしまう。

オイルヒーターを使っていたが。。

ということで、オイルヒーターという解に到達した。
これは気に入って、15年ぐらい使っていた。

デロンギというイタリアのメーカーが有名だが、機械式タイマーがカチカチ言うというのが気になって、国産のユーレックスというのを使っていた。

オイルヒーターと言っても油を入れるわけではなくて、金属製の羽の中に油が入っているらしい。
起動すると本体全体が温まり、空気が温まる。
加湿機能があるわけではないが、エアコンのように除湿しないので、部屋が過度に乾燥しない。

難点としては、電気代が5千円とか、油断していると1万円ぐらい掛かる。
まあ、環境負荷を掛けている贖罪の意味で(?)払っている。

あと起動してから部屋全体が温まるのに30分ぐらい掛かる。
あまりにもさりげなく、やさしく温まるので、うっかりすると付けっぱなしで外出してしまう。
その間も電気代が掛かっているので注意が必要だ。

あと、重い。
18kgぐらいある。

それが、ある冬の夜、プツンと使えなくなった。
その時点で7〜8年ぐらい?使っていたので、まあ壊れてもしょうがない。

で、まったく同じものをアマゾンで買ったら、翌日届いた。
涙が出るほどありがたかった。
アマゾンというと、税金を払ってないとか、宅配便業者を酷使しているとか、社会正義に発して批判する人がいるけど、ぼくみたいに、体を壊してそうそう外出できなくなった、成人病のデパートのような人間にとっては「命の恩人」である。
ブラジルには足を向けて寝られない。
まあ、日本国民がブラジルに足を向けると直立することになるから寝られないし、そもそもアマゾンだからってブラジルにあるわけじゃないけど。
ということで同じものの新モデルをさらに7年ぐらい?使い続けた。

2バージョン使ったわけだが、2代目になってちょっと使いづらくなった。
旧バージョンは左右上端がなんとなく持ち手っぽくなっていて、重いけど持ち運びが楽だった。
それが、2代目にはなくなっていて辛かった。

それでも、別に買い換えるほどではないので7年ほど使っていた。

電源問題

なお、電源はMAXで1500Wだから、部屋を温めながら電子レンジで調理しながらヘアードライヤーでも使おうものなら、確実にブレーカーが落ちる。
この場合、エアコンの横にあるコンセントから電源を取る。電気のメーターをよく見ると分かるが、エアコン用の電気は系統が分かれている。
延長コードを買って、これに繋いだ。
メーカーのマニュアルには延長コードは使うなと書いてあったが、特に問題はない。

いや、あった。

あるとき、雨が降ると部屋の中が臭くなるという現象があった。
腐敗臭ではなく、薬品臭でもなく、なんとも名状しがたい匂いで、気になって、きになって、あちこち探ったけど原因が分からない。
便利屋さんまで呼んで大掃除してもらい、「特に臭くないですよ」と言われたので、そうかと思った。

便利屋さんが帰った後、雨が降った。
寒くなったので、オイルヒーターを起動すると、臭い。
それでようやく原因が分かった。
延長コードの差し込みにホコリが詰まっていて、通電不良になってプラスチックが焼けていたのだ。
差し込み口が変形していて、触ってみると熱い。
臭い匂いを出してくれてむしろ助かったので、抛っておくと確実に火事になっていたであろう。
だから延長コードは使うなとメーカーは書いているんだと思う。
それでも背に腹は変えられないので延長コードを使っているが、こまめにつなぎ目をチェックしている。

それまではスーパーで買った謎メーカーのを使っていたのだが、それからはパナソニック製の、1500W保証の、コンセントシャッターがついたものを使っている。
それでも保証外になるので、自己責任でお願いします。

真打ち登場:Dimplexノンオイルヒーター

ということでオイルヒーターで安定していたが、去年、思い立ってノンオイルヒーターを買うことにした。

理由は、開腹手術して、一時的に重いものが持てなくなったからだ。
無理に持ったら傷口が開いて、臓物がブリブリブリ、と出そうな気がする。
それは冗談としてもとりあえず痛いし怖い。

ぼくは6畳2間+キッチンのボロアパートに住んでいる。
エアコンが1つの6畳にしかないので、夏は間のふすまを外して玄関横に立てかけて保存し、居室は12畳1間として使っている。
しかし、オイルヒーターは持ち運びできるので、ふすまを復活させて6畳2間にし、昼は仕事部屋に、夜は寝室に移動して、6畳分だけ温めていた。
その移動が、辛くなった。
とりあえずオイルヒーターは重いのだ。

それで、業を煮やして、もう1台同じものを買って2台体制にしようと思った。
贅沢だが、ヒーターが部屋ごとにあったら運ぶ必要はない。

早速アマゾンで調べると、ノンオイルヒーターというのが出ていた。

高いやつは高いけど、Dimplexというイギリスのメーカーのはほぼオイルヒーターと同じ値段だ。
新しもの好きなので、こっちを買ってみた。
タイマーが違うモデルが有り、機械式が1万3千円ぐらい、電子式が3万円ぐらいとかなり値段に開きがあるが、デロンギの機械式がカチカチうるさいと聞いていたので、ディンプレックスのがどうか知らないが、安全を取って電子式にした。

2019年の12月23日にポチって、24日に届いた。
自分がサンタクロースだ。

電子式が良かったのかどうか微妙だ。
タッチパネルで、しっかり見ながらじゃないと操作できないし、押したときのカタルシスがない。
アイコンが何のメタファーなのかも、分かりづらい。
凶悪なのがタッチパネルに触れないとボタンが消え、筐体の反対側の、ボタンがないところも同じ黒いガラスのデザインなので、どっちがどっちかパッと見ではわからないところだ。
(正確にはロゴがついているのがボタン側)
こんなところを妙にオシャレにして、使いづらくしないでほしい。
この点はユーレックスのオイルヒーターのように、電子式ではあるが分離したスイッチがある、ガラケー的なデザインにして欲しい。

肝心の暖かさだが、暖かい!
熱の立ち上がりも早い。
世の中、進歩しているんだなあ〜。

そして、軽い!
8kg。
オイルヒーターの約半分だ。
そして左右上端に、はっきりした取っ手がついている。
持ち運びがラクラクだ。

すっかり気に入って、オイルヒーターを廃止した。
まだまだ使える状態だったが、7年ものの中古であって、粗大ごみにしてしまった。
いままでご苦労さま。

ということで、朝は仕事部屋に運んで、夜は寝室に戻す。
これで十分だ。

電気なので酸素を消費ぜず、音もせず、匂いもない。
空気も乾燥せず、光も出ない。
ただ暖かくなるだけ。しかも下から温まるので頭寒足熱で快適だ。
まあ電気代がバカ高いんだけど、それは、ぼく個人に関しては、受忍すべき痛みであると思っている。実はこまめに温度調整しているので電気代も改善したらしい。

ひとつ問題としては、極寒の状態で使用した時、部屋が温まるまではコイル鳴き的なキーンというかキューンという音がすることである。
まあ、慣れた。
現状はぼくにとってのベストバイ。

(この項終わり)

会社員兼業ライターの深沢千尋です。いろいろ綴っていきますのでよろしくです。FaceBook、Twitterもやってますのでからんでください。 https://www.amazon.co.jp/l/B005CI82FA