Note 20: キーボード沼【第4章 やっぱり無線化したい……】

昨日は狂ったようにREALFORCEというキーボードを称揚した。
こんなにいいキーボードはない。
今もそう思っている。

ところが、いま使っているのは違うやつだ。
なぜかというと、ワイヤレス化したくなったのだ。

ワイヤレスキーボードとぼく

REALFORCEを理想の一台と決めてからも、実はいろいろキーボードを買っては試していた。
というのは、レアフォに1つ大きな不満があって、USBケーブルによる有線接続だということだ。
無線化したい。

画像1

情報機器というのは、基本的にまずは有線で普及し、そのあと徐々に無線化する。
電話もコードレス、携帯になったし、LANもWiFiになった。

無線化すると性能的には不利だ。
伝送が遅くなるし、電気を食う。
切断のリスクも、傍受のリスクも高まる。

にも関わらず無線化の流れが止まらないのは、ケーブルが基本的に邪魔くさいからだ。
特にパソコンのケーブルは邪魔くさい。
数台の周辺機器をつないで、何回か挿したり抜いたりしているうちに、なんでっていうぐらいゴチャゴチャになる。
ぼくは特にこういう物理デバイスの管理能力に欠けている。

で、ケーブルは表面積が大きいので汚れてくる。
電気を帯びているのでか、あっという間にホコリまみれになる。
IT系のオフィスなど、たまにパーティションの上を、西部劇に出てくる球状の野草みたいなホコリの玉が転がっていることがある。

画像2

注意したほうがいいよ。

ぼくは新しもの好きなので、なんでも無線化したい方で、何回かワイヤレスキーボードを使っては、諦めた。
Bluetoothという弱い電波の規格を使うのだが、昔はBluetoothの規格が古くて、速度が遅く、情報の取りこぼしも多かった。
高速でキーを打つと、文字が抜かされることがあったのだ。

ダメだな、と思っていたのだが、それを覆す出来事があった。
AppleがキーボードにBluetoothを採用したのだ。

Appleは製品の見た目にも気を使っているが、品質にもめちゃめちゃ気を使っている。
露出度、注目度が高いメーカーなので、ちょっと不具合があると、IT誌だけではなく一般の新聞テレビを含めてめちゃくちゃ叩かれるのだ。
他のメーカーだとそうはならない。
不思議な現象である。

そんなAppleが、キーボードをBluetoothで無線化した。
これは、もしかしてBluetooth大丈夫なのかな、と思った。

(※ちなみに以前、Appleのキーボードでスイッチのメカに不具合があって、めちゃくちゃ叩かれた)

Apple純正Bluetoothキーボードは、買った。
めっちゃオシャレな製品である。
小さいけど、キーがそこまで詰め込まれた感がない。
ものすごくストローク(押し込み深さ)が浅いキーボードで、合う人と合わない人はいるだろう。
ぼくは、合わない。
でも、これはこれで一つの立派な方針だ、と思わせるし、これが一番好きだ、と言う人も多い。
専有面積の小ささも、製品の軽さもすばらしい。
現代を代表するキーボードの1つだろう。

しかしながら、パソコンがMac派ではなくなったし、レアフォのキータッチとはあまりにも違うから、部屋の隅で死蔵している。

他にもいろいろな製品を買った。
ダメな製品をわざわざ名前を上げて批判するのは控えるが、とにかくコンパクトさを過剰に追求した製品が多い。
レイアウトが変則的で、キーが無理やり詰め込まれている。
ストロークが浅い。
あとキーの取りこぼしや、切断も起こる。
買ってはダメの繰り返しだった。

そこに、また買ってみたい製品が現れた。
FILCO Majestouch Convertible 2。
コンバーチブルの名の通り、USBケーブルをつないでもいいし、Bluetoothで無線化してもいい。

Bluetoothをデスクトップパソコンにつなぐとき

Bluetooth機器を使う場合、PC側に電波の送受信機が必要になる。
ノートパソコンなどの場合はもともと内蔵されている。
デスクトップの場合は外付けのデバイスを使うことが多い。
Bluetoothドングルと言われるが、ドングリぐらいの大きさの製品だ。
(スミマセン)

USBポートに挿して使う。
こんなゴミみたいなもの、すぐなくなってしまうので注意。
どこの製品がどう、と比較したことはないが、なんとなく日本の有名メーカー、エレコムとかサンワサプライとかのを買っている。

Bluetoothはとにかく、やたら電波が弱い。
無理に強くして、となりの部屋のパソコンを操作してしまったり、信号を傍受されても困るが、机の下に置いてあるパソコンに、キーボードから電波が届かないこともある。

ぼくはUSBハブを使っている。

いろんな周辺機器をつないでいたらすぐにパソコン本体のUSBポートなんか足りなくなってしまうので、どうせハブは導入するんだけど、これをデスクの向こう側に磁石で貼り付けている。
で、Bluetoothドングルは製品の突端にあるポートに挿して、これをチョコンとデスクの上に覗くような形で設置しているのだ。
セコい生活の知恵だ。
効果がどれぐらいあるか知らないけど、目で見える位置にあった方が安心感があるし、じっさい接続も強い気がする。
机の上に設置するハブを使ってもいいだろう。

前からノートパソコンだとBluetoothでもつながるけど、デスクトップだとつながりが悪いと思っていて、上記の対策をすると改善した。
数字的なエビデンスがあるものではないが、話半分にお聞きください。

FILCO Majestouch Convertible 2

さて、FILCOのキーボードについて。


この会社のBluetoothキーボード、前はMINILLA Airというのも買ったんだけど、レイアウトがレアフォ配列ではないので使用を断念した。
ところが、Appleキーボードが無線化したのに続いて、レアフォ配列のこの製品が出たので、試してみる気になった。
ミニラにくらべると専有面積は大きい。

FILCOというと、HHKB vs. レアフォの次ぐらいに(?)有名なキーボードのメーカーだ。
ドイツのCherryという会社のスイッチ(ボタン)を使っていて、赤軸、青軸、茶軸、黒軸と、それぞれ重さ(バネの強さ)や特性に特徴がある種類が出ている。
今回は最も軽い赤軸を選んで買ってみた。

配列も、大きさも、レアフォと一緒である。
見た目だけでは区別がつかないだろう。
(レアフォは白、FILCOは黒にしているが)

しばらく打ってみる。

ううん、やっぱ、当然ながら、レアフォではない。
軽いけど、バネっぽい。
あと、底付き感がある。
微妙に疲れるし、打ち間違える。

それでも無線化にはものすごく魅力がある。
キーボードとマウスが無線化すると大きい。
机の上がめっちゃ片付くのである。

使い始め、2キーぐらいは必ず取りこぼす。
これはスリープ状態から復帰しているので、しょうがないだろう。
さいきんは矢印キーなんかを何となくいじって凌いでいる。

このnoteを始めてからずっとFILCOで打っているが、手放す気にはならない。
レアフォを100点とすると、75点ぐらい。

100点のキーボードを持っているのに、なんで75点のを使うのか、自分でも納得がいかない気がする。
それでも無線を取って、FILCOを使っている。

無線による遅延はどうか。
ううーん……。
あるっちゃあるけど、ないっちゃない気がする。
それよりも打ち慣れないキーボードのおかげで、打鍵が遅くなっている影響の方が大きい。
でも使い続けているうちに慣れてきたし、今後もしばらくは使う気がする。

東プレさんレアフォを無線化してください

今回キーボードの無線化に踏み切ったのは、レアフォと並ぶマニアックキーボードのもう一方の雄、HHKBのBluetooth版が出たのも大きい。

Appleもだけど、HHKBも注目が大きい製品で、ヘタな製品を出すとどんな評判が立つか分からない。
それを無線化に踏み切った。
ということは、キーボードはもうBluetoothでいいんじゃないか。
そういう業界標準になると判断したのである。
(それにしても高いね。3万円するね)

ということで、東プレさん、レアフォの無線版を出して欲しい……。
レアフォの無線版が出たら即買いだ。
でも、東プレもそんなことは分かっているはずだ。
が、出さないということは、何か理由があるんだろう。
レアフォ品質として納得の行く無線版が出さない理由が……。

ということでキーボード話はここで終わり。
明日はマウスの話を書くよ。
いま使っているのは、コイツ!

(この項終わり)

会社員兼業ライターの深沢千尋です。いろいろ綴っていきますのでよろしくです。FaceBook、Twitterもやってますのでからんでください。 https://www.amazon.co.jp/l/B005CI82FA