Note 42: ぼくはAmazonと宅急便が大好き

期せずして植草甚一ふうの題名になったけど、内容はぜんぜん違う。

ぼくは新しもの好きで、買い物が趣味だ。
それでも昔は本を買いに神保町に行き、電化製品を買いに秋葉原に行っていたが、近年はここに革命が起こった。
Amazonだ。

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「ああネット通販が好きなんですね」と言われるが、Amazonは他の会社とぜんぜんレベルが違う。

楽天は個人商店の集まりであって、買い物ごとに個々の店と人間関係を結ばなければならない。
面倒くさい。
支払いの方法、送付の方法、DMの書き方まで、店によって微妙に違う。
どこがいいどこが悪いというわけではなく、そんなことに個性を求めてないので面倒くさいのである。
ヨドバシドットコムも紀伊国屋書店も使わない。
Amazonは洗練されている。
使う人が多いから洗練されていき、洗練されているからみんな使う。
経済の見本みたいな好循環だ。

Amazonのいいところは、返品が利くことだ。
これ、あんまり大声で言うものではないと思っていたが、さいきんはAmazonも自分で売りにしているようなので、言わせてもらう。
Amazonは返品が効く。
そうとうムチャな返品でも受け付けてくれるのである。
(※いわゆる「マーケットプレイス」は当然ながらその限りではない)

送料がこっち持ちになることも、半額以下しか返金されないこともままあるが、必要もないものが家で埃をかぶっていたり、捨てる羽目になるよりいい。
エコだ。

あまりにもスムーズに返品できるので、あれで勘定合うのかねって思うけど、そのぶんそんなに安くない。
まあ、ありえないぐらい安くて、送られてきたのがありえない品質で、返品できないで泣き寝入りよりもいい。

アメリカ式である。
アメリカは一時、ビデオレコーダーの返品があまりにも多くて問題になっていた。
「使い方が分からない」という人が相当数いたそうだ。
GAPの服も意地でも返品してくれる。
そのぶん高い。

合理的な制度だと思う。
どんなものも、粗悪品かどうかはある程度使ってみないと分からない。
先日は「スマホの充電器があまりパワーがないこと」が分かるのに一週間以上掛かった。
そんなことがありうるなんて、疑いもしないから、なかなか気づかないのである。
まあ、これまで返品なんか考えても見なかった価格体系/オペレーションの店は困ると思うけど、そういう店が出てきたんだからしょうながいよ。

Amazonと両輪で働いているのが宅急便である。

これはヤマト運輸の商標であって、一般名詞としては宅配便という。
(アニメの魔女宅はヤマトがスポンサー)
これは便利なものだ。

病気なので、毎月ドリンク類をアパートの4階まで持って上がってもらっている。
「いつもスミマセン」と頭を下げると「いえいえ、お役に立てて幸いです」と向こうも恐縮していた。
店と客のあり方はこうありたいね。

さいきんはデリバリープロバイダーというのが出てきた。
これは地元のローカルな宅配業者が、Amazonの仕事を引き受けてる集合体を指すようだ。
あまり評判が良くない。
遅れる、約束を守らない、勝手に置いて帰るという。
これは、ヤマトが異常にサービスが良すぎるからであって、よくよく考えたら運送屋さんなんてそんなにいちいち丁寧にしてたら気が狂うよ。
限界をわきまえて使うべきだ。

ぼくは「置き配」玄関の前にドカンと放置して帰るシステムを愛用している。
最初はムチャクチャ腹が経って、Facebookで批判したりしていたが、慣れると快適だ。
だいたいミネラルウォーターの24本入りなんかを盗むやついないって。

面白いのが、ドアの前に置いたら置いたところの現場写真を添付したメールをくれる。
メールにどこぞのアパートの汚い玄関が映っていてギョッとする。
未来だなーと思う。

送ってくるのもすばらしいけど、こっちから送るのもすばらしい。
コンビニで受けてくれるのだ。

コンビニっていう商売も、すごく大変だと思うけど、使う身にしたら本当に便利なものだ。
感謝しています。
せいぜい本社は給料上げてやってくれ。
なにしろ24時間受け付けてくれるのだ。

そしてついに!
スマホで送り状の記入ができるようになった。
これ、送り状を家庭のプリンターで印刷させるぐらいなら、すぐに出来るはずだと思っていたが、なかなか出来なかった。
マツコ・デラックスさんありがとう。

ちょっと使い方がクセがある。

まず「お届け先」を指定してから「送り元(たいていは自宅)」を指定させるので困った。
まったく同じ画面が出てくるから「何回も送り先を指定させるんだなあ……」とグルグルループしてしまった。
「送り元」は発送店舗のコンビニを指定したからもういいかと思っていたのだ。
よくよく考えたらこの2つはまったく別のものだ。
おいらがバカなだけだけど。

あと画面をスクロールして「禁制品は送りません」とチェックするのが分からなかった。
これ、チェックボックスをタップしたからって何の責任をどう取ることになるんだろうね。
禁制品を送るようなやつはしれっとチェックボックスを押すのをためらったりしないだろう。
こういうオトナの仕組みは良く分からない。

あと「着払い」を指定しても、最後のさいごに「料金のお支払い」というのが出てくる。
ナンダコレ。
これ、着払いの場合は「着払いにします」というボタンをもう一回押させるだけなのだ。
分かりにくいよ!

しかしまあ便利なものである。
年取って、体を弱くすると、便利が一番だ。
自分も本業で社会に貢献しようと思う。
それぞれの人が専門の分野で頑張って、他人を助けるのが社会のあり方であって、先進の企業がそれを実践しているのはうれしく思います。
誰目線だよ。

(この項終わり)


会社員兼業ライターの深沢千尋です。いろいろ綴っていきますのでよろしくです。FaceBook、Twitterもやってますのでからんでください。 https://www.amazon.co.jp/l/B005CI82FA