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植田寿乃連載『令和を活きる、未来を拓く』 第7回 『昭和脳』をアップデート出来ない経営陣と管理職は即、引退すべし!

 4月から新年度という会社や組織が多いかと思います。私自身、自分の研修や講演のテキストを全て見直します。そして、毎年同じことを感じます。

「この私のメッセージでは古過ぎる。時代は進んだし、私の思考はアップデートされている。だから、今の私の思考のメッセージに進化させ、変えなくては!」

 私はこの自分の思考のアップデートを春に毎年し続けています。キャリアコンサルタントとして20年ですが、その前からやっていたなと思います。私が、もし、それをやらずにいたら、私は『昭和脳』のままで時代遅れの考え方を持つ、過去の遺物、講師としての存在価値は無くなり、消えていたでしょう。

今年に入って、政治の世界、オリンピックス委員会、スポーツ業界で、悪しき昭和常識や慣習を引きずっての不祥事(パワハラ、セクハラ、男尊女卑、度を越した接待、コロナ禍の宴会)が続出しています。日本は、ダイバーシティにおいて、世界基準からはるかに遅れた後進国になっていることが露呈してしまいました。そして、最近では、私の友人の会社や、私が関わってきたクライアント先でも同様の不祥事や、残念な出来事を目にしたり、聴いたりします。

 私は、昭和生まれで育ちです。男尊女卑な昭和な組織の中で働く中、女性が活躍でき、年齢ではなく実力で認められる組織で働きたいと強く思い、転職しようとしましたが、そんな会社や組織を見つけることが出来ず、1998年に起業し、自分で組織を作りました。そして、その時に、年齢や性別を超えてイキイキと活躍できるダイバーシティな組織や会社が日本に増えるためのお手伝いをすることが自分の使命だと心に決め、20年以上にわたり講師としてキャリアコンサルタントとして企業や組織の人たちを全身全霊で応援してきました。だからこそ、最近の耳に入るニュースに、何とも言えない腹立たしさと、自分の無力感を感じています。

歴史のある大企業ほど昭和な組織風土をひきずるのは、平和で安定していた平成時代はある意味しかたがないことでした。しかし令和時代、しかもコロナ禍のこの期に及んで『昭和脳』の経営陣や管理職が大手を振り実権を握って、しかも組織の信用を落とすようなトラブルを起こし、それが世間に露呈してしまう事態は、当事者の問題だけでは済まされません。『昭和脳』の経営陣や管理職を放置していた、会社や組織の責任だと強く感じます。

 誤解しないでいただきたいのは、『昭和脳な人』というのは、昭和生まれな人という意味ではありません。昭和生まれで20代30代の時の自分の中で構築された判断や考え方の基準が、平成、令和と全くアップデートされていない人たちのことです。私の専門『心=人間力・感じる』は右脳の部分になりますが、昭和脳は『頭=思考回路・考える』左脳の部分です。『心』と使う前に、『頭』の部分に、しっかり目を向け、確認する必要があります。

 皆さんは、パソコンをどのくらいのサイクルで買い換えますか?私は2年ですが、10年以上、ましてや20年同じものを使っている人はいないでしょう。また、パソコンを買い替えるえる時に、最新のOS(オペレーションシステム)にしますね。そして、インストールしたOSは、絶えずアップデートしながら使っているはずです。OSをそのままにしてしまったら、機能に制限が出たり、トラブルが起きたりすることもあります。また最新のOSでなければ、新しいソフトを動かせないこともあります。つまり、パソコンのOS部分が、まさに人で言うところの左脳にあたります。昭和脳のままだったら、パワハラもセクハラも何が悪いかわからないし、ましてやダイバーシティ、働き方改革を理解できるはずもありません。『昭和脳』を見分けるポイントは3つです。

① 昭和生まれで自分の20代30代での実体験、人生観が基準
② 年功序列が肯定派で、YESマンの部下やメンバーを好む
③ リアルの対面コミュニケーションに強い執着(特に飲みにケーション)

 私は初対面でも30分くらい会話をしていれば、目の前の人が『昭和脳』かがわかってきます。かなりの『昭和脳』だなという相手が経営陣や人事部長だと、本当にがっかりします。一人だけならまだしも複数人だったら、その会社の未来はかなり暗いと感じ、関わりたくなくなります。

 平成時代は、『昭和脳』の人は今よりも多かったと思います。そして、それが悪とまで責められることも、組織として問題視されることもありませんでした。平成時代は、『昭和脳』の古ぼけた常識や悪しき習慣が暗黙で許されていたのだと思います。

 しかし令和の時代、コロナ禍が続くことにより『昭和脳』による悪行、悪影響が大きなトラブルとなって、どんどんあぶりだされてきました。まさに、踏み絵が始まっています。

〇昭和の常識 ⇒ 令和の非常識
  ★パワハラ、セクハラ、男尊女卑、接待ビジネス、宴会の強要★

 これを読んでいる50代の男性、女性の方々は、まさか『昭和脳』ではないですよね? もし、自分が『昭和脳』だと少しでも感じたら、すぐに『令和脳』へアップデートをしてください。それが出来ない、やりたくないという方は・・・速やかに今のポジションから引退して会社から去ってください。それが、会社のため、組織のためになる、あなたがすべきことです。

 先日、65歳のある企業の取締役の方のエグゼクティブコーチをさせていただきました。

「ZOOMでのミーティングはいいよね。オンラインワールドはいろいろな可能性がある。この春で会社卒業して、女房孝行に専念するつもりが、後2年任期が伸びてしまったんだ。だから、うちの会社の若い世代のためにも、自分自身が時代遅れにならないように頑張らないとね。孫とも遊びたいし。リングネットアドベンチャーでコロナ禍でも体力づくりしているんだよ」

 素敵です。年齢よりもはるかに若く、少年のように目をキラキラさせながら会社や人生のことを話す姿は、昭和ボディーだけれど完璧な『令和脳』の方でした。『令和脳』をアップデートし続けて、会社の未来を導いて欲しい経営者です。私も、昭和ボディーをメンテナンスしながら、『令和能』をアップデートし続けたいと思います。

昭和脳かもしれない経営者・管理職の方は必須、令和能の経営陣・管理職の方々にも受けていただきたい私の一押しコースはこちらです。
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2021年6月17日(木)7月15日(木)
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https://que.co.jp/pdf/noma_olseminar_20210617_0715.pdf
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