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植田寿乃連載『令和を活きる、未来を拓く』 第3回 「自律型人財」待ったなし!

令和を活き、未来を拓くためには、私たち全員が「自律型人財」を目指さなくてはなりません。

① あなたは自律型人財ですか?
② あなたの会社は自律型人財が多いですか?
③ あなたの会社の40代50代の管理職は自律型人財ですか?

20年間、多くの企業を見てきました。ベンチャー企業、外資系企業は自律型人財ばかりです。私がIT業界で私が仕事をしていた30年前から自律型人財が多いと思います。なぜなら、自律型人財でなければベンチャー企業や外資系企業では採用されないし、働き続けることもできません。
それに比べて、昭和時代から続く安定した会社は、「自律型人財」が少ない。その背景は、そのような会社では、昭和時代そして、平成になっても「自律型人財」の必要性がなかった。滅私奉公で、自分を犠牲にして会社のために長時間労働をいとわない社員、自律していない社員こそが必要だったのです。

★社員が自立したら、会社を辞めてしまう?

 私は講師として、人間力リーダーの育成を2000年から取り組み、2005年頃から、キャリア研修も多くの企業から依頼されるようになりました。最初は「女性の幸せなキャリア」女性が結婚や出産というライフイベントを超えて、会社をやめずに働き続けるための研修です。女性たちが「働く上での成長目標を自分自身で描き、それに向かって成長していく」
ことを目標にしたものです。つまり会社を辞めて専業主婦にならずに「女性が自立してほしい」というのがテーマでした。2010年くらいまでの5年間、私は女性のキャリア研修に非常に多く登壇しました。しかし、不思議に、男性の研修を依頼されなかった。それはなぜか?男性は会社を辞めずに、真面目に働き続けるから何もする必要がなかった。

 2010年くらいから、男性も含めて20代30代にキャリア教育を依頼されるようになりましたが、ある大会社の社長から真顔で私にこんなことを言いました。

「先生、あまり自分がどう働きたいとか考えさせたり、夢を描かせたりしないでください。自立していくと、会社を辞めてしまう人が増えますから。なので、モチベーションは上げていただきたいですが、自立はほどほどでお願いします」

 この社長は「自立」と「自律」の意味がわかっていませんでした。組織におけるキャリア教育の目的は「自律」です。親から金銭的に独立する「自立」的なイメージで、自分のキャリアについて理解が深まると、自分の会社以外で収入を得る手段を見つけてしまうと思ったのでしょう。「自律」の本来の意味、自分自身を内省し、自分で考え、自分をコントロールできるようになることです。

またある企業で「男性にキャリア教育は社員に必要ない」という人事部長に対して、私は質問をしたことがあります。

「あなたはキャリアビジョンをお持ちですか?」と尋ねました。

答えは、「そんなものあるわけないじゃないですか、あるのは会社命の忠誠心だけですよ。それで働いてきましたから。自分のことなんて考えずに30年やってきました。だから今の給料とポジションにいる。会社に対して感謝しています」

「忠誠心」と「自律」は相反するものという理解、これも間違っています。昭和の時代の忠誠心の塊だった人たちが、50代半ばを過ぎ、依存&他責の塊になっているような状態になっている風景を、私は多く見てきました。

自分のキャリアビジョンを描いたことがない、持っていないという、経営陣、人事部長、管理職が令和の時代にも存在します。しかし、そういう人が多い会社でも、激動の令和時代は、年功序列型人事から、JOB型人事 に転換しないと世の中の流れに置いて行かれると、焦って人事制度改定を頑張っています。しかし、その制度先行のやり方では大失敗してしまうでしょう。JOB型人事制度というのは、全員が自律型人財の会社になっているからこそ、個人にとっても組織にとっても良い効果を上げるものです。

現状において、社員の多くが、他立型&依存型の人材ばかりという会社とはどんな会社か?業績が昭和・平成とある意味で安定していて、大きな変化もなく安泰だったという会社です。そういう会社は、社員の定着率は高いが、社員が控えめで受動的です。手を上げて自分から発言をする人はいないが、差されたら何か言うといった感じです。言われた仕事を粛々と行う人たちの集団で、継続・持続は得意だけれど、未来への飛躍や、成長性においてはあまりできない。さあその状態で、激動のコロナ禍、令和の時代を、個人も会社も生き抜けるでしょうか?

現在のコロナ禍の令和の時代において「自律型人財」待ったなしというのは一目瞭然です。
それぞれが自律型人財になり、会社全員が自律型人財になったら、皆さんの自身、そして会社の未来は明るく拓けていきます。だからこそ、私たちは「自律型人財」の道を、皆で歩んでいきましょう。

===出典:デジタル大辞林===
〇自律
 他からの支配・制約などを受けずに、自分自身で立てた規範に従って行動すること。
⇔他立:自らの意志によらず、他からの命令、強制によって行動すること。)

〇自立
 ・他への従属から離れて独り立ちすること。他からの支配や助力を受けずに、存在すること。
 ⇔依存:他に頼って存在、または生活すること。
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2021年1月スタートした、Que Human Mind Dojoは自律型人財が、自分自身の「人間力、心」を磨く場です。自律型人財としての成長し、自律型人財の素敵な仲間に出会うことができるでしょう。
https://www.qhmd.que.co.jp/

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