ただ進めば至る(103)

2014年11月15日 骨切り術を勧められている方へ


走れなくなって、そしてさらに悪化して会社の階段をあがるのに手すりを使わないとあがれなかった頃の膝です。

関節内の白いところが軟骨がなくなってる部分。その下の骨の色が変わってるのが、骨同士がぶつかって骨挫傷になってるところ。早く言うたら骨折ですね。このときに「もう走れませんよ」と言われました。主治医先生が「積極的治療」として骨切り術をしますか?と提案してくれました。健康な脛骨を切断するのに抵抗があったと言うか怖かったです。

そのときから3年です。

長い時間かかりましたが、また走れるようになりました。なくなってしまった軟骨は「軟骨らしきもの」に置き換わってるようです。人の身体って不思議ですね。軟骨は再生しない。だけど「らしきもの」は出来る。元通りの力はないけれど、一説には健康なときの80パーセントのパフォーマンスは取り戻すことが出来るとも言われてます。実際に私自身の感覚でもかなり元に近い状態だと感じてます。

骨にブツブツ穴はあいてるけど、それは大した問題ではないみたい。そのうちに穴も埋まってくるでしょう。同じ症状で、先生に骨切りを勧められて悩んでる人も多いと思います。そんな方には是非一歩進んで頂きたいと思います。走らないにしても生活がまるっきり変わります。階段を見るたび憂鬱になったり、和式トイレが使えなかったり、正座が出来なかったり、ひどいときはパンツをはくのも苦労してました。そんな一つ一つの辛いことがなくなります。何年もかかるにしても絶対にやってよかった!と思うはずです。

先日、こんな相談がありました。軽い変形性膝関節症を患ってる男性ですがまだマラソンにも出られてる方でした。「走りのパフォーマンスをあげたいので骨切りをしたいが、どうですか?」と。私は「いま走れてるなら手術はすすめない」とお答えしました。健康な脛骨を切断するのは簡単なことではありません。入院期間も長いし、また走れるようになるのに一年以上かかります。最初はやっぱり痛いです。いま走れてるってことはそんなに痛みがないはずですから、それよりも痛くなります。確実に。

いま機能している人の器官は大切に!と思いました。

その彼、もしこれを読んだなら、、私、簡単な返事しか書かなかったけど、そういうことなんです。いま走れてるその膝を大切になさって下さい。

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ある市民ランナーがある日突然医師から「もう走れない」と最後通告を受けました。それはあまりに突然で衝撃的で愕然としました。暗黒の日々からふた…

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