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ただ進めば至る(16) みかた残酷マラソン

2011年6月13日

兵庫県香美町で開催された、名前だけでびびってしまいそうな大会に参加しました。「みかた残酷マラソン全国大会」という大会です。マイミクさんにとてもいい大会だと誘われて参加しました。コースの高低差が400mあることや、傾斜が半端じゃないことや、事前に入ってくる情報に「完走できるのか?」と不安になってきます。

スタート前のアップでこの看板を見つけました。帰ってくるとききっとこれを見てほっとするんだろうなと思いながらシャッター押しました。参加ランナー全員で掛け声をかけてから号砲とともにいよいよ残酷マラソンのスタートです。

参加者は1955人と開会式で言っていました。スタートしてすぐは写真のように下り坂です。気をつけてもスタート直後の下りはどうしてもスピードが出てしまいます。極力我慢をしてペースがあがらないように意識して走りました。余裕を持って「上り」区間を迎えられるように。しばらくしていよいよ「残酷」が始まりました。

一生懸命に走ろうとしますが、歩きにようなスピードです。山の中をくねくねと進んでいきますが、カーブを曲がっても曲がっても上り坂は終わりません。だんだんと気持ちが切れかかってきます。7キロ地点すぎて、道の脇に15回以上参加者の記念植樹が見え始めまもなく高石ともやさんが歌っているのが聞こえはじめます。

もう少し!もう少し!と頑張って登り、やっと平坦になったと思うと恒例らしいシャワーがありました。

やっとか!と思ってしまいますが、これで上りが終わりというわけではありません。少しカーブを曲がるとまた上りです。
<ここまでのラップ>
1km/5分44秒
2km/5分00秒
3km/5分02秒
4km/5分32秒
5km/5分22秒
6km/5分52秒
7km/6分00秒
8km/7分22秒
高石ともやさんの歌が聞こえる中、傾斜がまだ続くのを見て気持ちが途切れてしまいました。頑張って走っても、歩いている人の方が速かったりするんですよね。心が折れてついつい歩いてしまいます。一度気持ちが途切れるともう止まりません。走っては歩いての繰り返しになりました。
そうしながらも進んでいくと見えて空の面積が少しづつ広くなっていきます。だんだんと頂上が近づいてくる。
もう少しや!

と、コースを二つに仕切って下りランナーとすれ違うとことが見えてきました。
やっと!やっと!頂上〜!
タッタッタと降りてくるランナーの中にマイミクさんみっけ!
苦しい顔が一瞬ほころんで「頑張って!」とエールを交わします。この瞬間はほんとにホッとします。そのあとキャンプ場に上がって折り返すわけですが、その少しの距離がとんでもない傾斜でした。まさにしごき!

ようやく辿りついた標高605m。
ここで私はまず給水して、写真撮影して、そしてシューズの紐を締め直しました。前の日に長時間運転して足がむくんでいたのでしょうか。ここまで走っているうちに足が痩せてシューズがブカブカになっていました。これからの下り、ブカブカの状態では足の爪がまたダメになってしまいます。
ひとやすみして再スタート。下りは上りの逆で激坂下り。気持ちよくやっほーと走りたいところですが、足の回転が追いつきません。一人でなにかぶつぶつ言ってる人を追い越しました。
「あわてない、あわてない」
この言葉、実はとっても深いんですよ。これがこのコース攻略の極意だと思います。この男性、キャンプ場にあがる前にも追い越したのですが、そのときはゆっくりと斜面を登りながら「涙のあとには虹がでる」とつぶやいていました。走りながらずっとつぶやいている人なんですね。
そのあとまたうねりのようなアップダウンがあったあと、一気に山をおりていきます。話に聞いていたとち餅の私設エイドが下りきったことろに待っているのですが、ちらと谷の向こうを見るといま下っているコースと同じような高さの道をランナーが下りていってました。って、ことは・・・・まだ上りがある😳
ぞっとしながらとち餅にありつきました。

「これで最後よ♡」「ラッキー☝️」
お茶と一緒にいただきました。うまかった〜(≡^∇^≡)
しかし、これが私設えイドとはありがたいですね。少し先に大きく左に曲がっていて、そのカーブにたくさんの地元の応援の方がいました。そんなに応援されると、歩きたくても歩けない。必死で走りました。
18km付近、なんとまったく意味のわからない砂利道が目の前に見えてきました。

9km/9分02秒
10km/7分58秒
11km/8分24秒
12km/7分34秒
13km/6分24秒
14km/5分08秒
15km/5分26秒
16km/5分38秒
17km/7分24秒
18km/9分28秒
ほんとに残酷なコース。
でも、地元の声援は本当にあったかい。町全体で歓迎してくれているのがみなさんの表情から伝わってきます。

足は動かなくなってしまっていますが、皆さんの声援で頑張れます。

このあたりがこのコースの2度目の残酷。

力を振り絞ってなんとかクリアして、そして約2km下がるとまた上り!
開会式で司会の方が言っていた「腹がたってくる登り坂」です。もうやめて!

この残り2kmが長い。パンパンになっている筋肉を総動員して乗り切ると会場の学校が見えてきます。あと500m、アップで見た看板のポイントです。

声援の中、ゲートをくぐって学校のグランドに入るとゴールはもう目前!
やっと帰ってきました。

ゴールのご褒美にいただいた、ソーメンとよく冷えたトマトの美味しかったこと!

初参加だった「みかた残酷マラソン」はとってもとっても残酷なマラソンでした。しかしそれ以上におじろの町の暖かさをたくさん感じました。コスプレランナーもたくさんいるし、その暖かさもあいまっていい雰囲気の大会でした。苦楽しい大会、また来年も是非に参加したいと思います。
19km/9分02秒
20km/5分30秒
21km/4分38秒
22km/6分32秒
23km/6分22秒
24km/5分02秒

ゴールタイム:2時間35分29秒

※来年の目標2時間30分切

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